私たちの日常会話の中で、当たり前のように登場する「モチベーション」と「テンション」。どちらも気持ちや気分に関わる言葉ですが、実は意味もニュアンスもまったく違います。
なんとなくの感覚で使っているけれど、「やる気がある=テンションが高い」とは限りませんし、逆に「テンションが低いけどモチベは高い」ということもあるんです。
では、これらの言葉はそれぞれどう違っていて、どう使い分けるのが適切なのでしょうか?
この記事では、「モチベーション」と「テンション」の意味の違いや使われる場面、それぞれの特徴についてわかりやすく解説していきます。
気持ちをうまく整理したいとき、相手に正しく伝えたいとき、きっと役立つ内容になるはずです。
「モチベーション」とは?
たとえば、「資格を取りたい」「目標を達成したい」「上司に褒められたい」といった気持ちがあると、それに向かって努力を続ける意欲が湧きます。この“続けたい”という内側からの動きこそがモチベーションです。
特徴としては、比較的“長期的”で“深い”気持ちに基づいていることが多い点です。たとえば、毎日コツコツと勉強を続ける人は、テンションに関係なくモチベーションが高い状態にあるといえます。
また、モチベーションには「外発的動機づけ(報酬や評価)」と「内発的動機づけ(自分の好奇心や達成感)」という2つのタイプがあるとも言われています。
つまりモチベーションとは、“何かを達成したい”という目的意識によって生まれる持続的なやる気のことなのです。
「テンション」とは?
「今日はテンション高いね!」や「テンション下がる〜」など、主にその場の感情や気分の波を表すための表現として定着しています。
モチベーションが“内面的で持続的なやる気”であるのに対して、テンションは“外に出てくる一時的な気分や勢い”といえるでしょう。
たとえば、カラオケで盛り上がっているときや、楽しいイベントの最中などに「テンションが上がる!」というふうに使われます。一方で、疲れていたり落ち込んでいるときは「テンションが低い」と表現されます。
つまり、テンションとは“今この瞬間の気分の高さや盛り上がり度”を示す言葉であり、感情のボリューム感に近いものと考えるとわかりやすいでしょう。
比較してわかる違いと使い分けのコツ
モチベーションは「目標に向かって行動を続けるためのやる気」であり、テンションは「一時的に気分が高まっている状態」。つまり、モチベーションは“中身”、テンションは“見た目”ともいえるかもしれません。
たとえば、職場で「この人テンション高いな〜」と思う人がいても、必ずしもその人がモチベーション高く仕事に取り組んでいるとは限りません。逆に、黙々と作業していてテンションは低そうでも、しっかりと目標を持って努力している人もいます。
使い分けのポイントとしては、
- 仕事や勉強など「継続的な努力」に関しては「モチベーション」
- イベントや遊びなど「その場の盛り上がり」には「テンション」 というように区別するとわかりやすいでしょう。
また、上司や同僚に「モチベーションが下がっていて…」と言えば真剣な相談に、 友達に「テンションが下がるわ〜」と言えば気軽な愚痴になります。
このように、状況と相手に応じた言葉選びが、より伝わりやすいコミュニケーションにつながるのです。
まとめ
モチベーションは、目標に向かう意志や持続的なやる気を指し、テンションは、その場の気分や盛り上がりの高さを表すもの。
似たように思えても、実は「内側」と「外側」、「継続」と「瞬間」といったように、真逆の性質を持つ言葉といってもいいでしょう。
どちらが大事かというと、それは目的や場面によって異なります。長期的な目標に向かって動きたいならモチベーションを高めることが大切ですし、今この瞬間を楽しみたいならテンションを上げる工夫も必要です。
言葉の違いを理解することで、自分の気持ちをうまく整理できたり、相手により正確に思いを伝えられたりします。
普段なんとなく使っていた言葉も、意味を知ることでコミュニケーションの幅がぐっと広がりますよ。