日常会話でよく使われる「いつか」と「そのうち」。
どちらも「未来のどこかで起こる(起こす)こと」を意味しますが、そのニュアンスには微妙な違いがあります。
たとえば、
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「いつかヨーロッパに行ってみたいな」
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「そのうち旅行でも行こうか」
このふたつ、言っていることは似ていますが、心に浮かべている“未来”の距離感がまったく違うと感じませんか?
この記事では、「いつか」と「そのうち」の意味・使い方・例文などを通して、それぞれの言葉が持つ“時間のぼやけ方”を読み解いていきます。
「いつか」の意味と特徴
「いつか」は、はっきりとは決まっていないけれど、
どこか遠い未来で実現することを期待している気持ちが込められた言葉です。
特徴
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実現の時期がかなり漠然としている
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現時点では叶う見込みが薄くても、願いや夢が込められている
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ロマンチック・感傷的な文脈でもよく使われる
例文
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「いつかは自分の店を持ちたい」
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「いつかまた、あの場所に戻りたいと思ってる」
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「いつかきっと、君に会える気がする」
「いつか」は、心の奥にしまっている“希望”や“夢”に近いものとして使われることが多いですね。
「そのうち」の意味と特徴
「そのうち」は、「近い将来に」「いずれ」というニュアンスを持ち、
近々やるつもりだが、今ではないという含みがあります。
特徴
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そこまで遠くない未来をぼんやりと示す
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現実的な予定に近い
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やる気があるのかないのか、場合によっては曖昧さも残る
例文
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「そのうち連絡するよ」
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「そのうち片付けようと思ってるんだけどね」
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「そのうち飲みに行こう!」
会話の中で“やる気はあるけど今じゃない”という場面でよく使われますが、
“社交辞令”や“やる気がない言い訳”として使われることもあるので、
ちょっと注意が必要な言葉です。
「いつか」と「そのうち」の違いを比べてみる
比較ポイント | いつか | そのうち |
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未来の距離感 | かなり遠い | わりと近い |
実現可能性 | 希望や夢、未定 | 現実味があるが曖昧 |
使用場面 | 願望・感情・将来の目標 | 日常の予定・気軽な発言 |
印象 | 詩的・ロマンチック | カジュアル・あいまい・曖昧な逃げ口上にも |
どっちを使う?場面別の使い分け
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将来の夢や目標を語るとき →「いつか」
例:「いつかは田舎に住みたいな」 -
やるつもりだけど、今はその気になれないとき →「そのうち」
例:「そのうち部屋の模様替えしたいんだけど…」 -
本当はやる気がないけどやんわり逃げたいとき →「そのうち」
例:「そのうち返すから!」(本当かな?)
まとめ:時間の“温度感”を見極めて使い分けよう
「いつか」と「そのうち」は、どちらも未来を示す曖昧な言葉ですが、
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「いつか」は遠くて大きな夢や願望
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「そのうち」は近くて現実的(だけどちょっと逃げ道)
というように、心の温度感や距離感に違いがあります。
使い分けを意識すると、相手との距離感や気持ちの伝わり方がぐっと変わりますよ。