スピードが未来を拓くのか、それとも慎重さがリスクを回避するのか。
古くから伝わる二つのことわざ 「善は急げ」と「急がば回れ」 は、まるで正反対の人生訓のように見えます。
「チャンスを逃したくないから、すぐ動くべき?」
「でも、焦って失敗するのは怖いから、ちゃんと準備したい…」
現代を生きる私たちは、この二つの言葉の間で、何度も立ち止まります。
ですが実は、この二つの教えは“どちらか一方が正しい”わけではありません。
使いどころを間違えなければ、どちらも人生の強力な武器になるのです。

私たちはいつも「アクセル」と「ブレーキ」の間で迷っている
何かを始めようとした瞬間、頭の中に浮かぶ二つの声。
「今しかない。やるなら早く!」
「いや、待て。もう少し考えた方がいい」
前者を象徴するのが 「善は急げ」。
後者を象徴するのが 「急がば回れ」 です。
一見すると矛盾するこの二つの言葉。
しかし本当は、人生の異なる場面を照らす“別々の照明”のようなもの。
この記事では、それぞれの言葉が持つ本当の意味と、
「今のあなたにはどちらが必要か」を判断するための視点を整理していきます。
「善は急げ」── チャンスを掴むための〈瞬発力〉
「善は急げ」の本質とは?
「善は急げ」とは、
良いと思ったことは、迷わず素早く実行せよという教えです。
ここでいう「善」とは、道徳的な善悪だけではありません。
「これは良さそうだ」「やってみたい」「今しかない」という
前向きな直感すべてを指しています。
メリット①:機会損失を防げる
チャンスには、必ず“旬”があります。
・アイデア
・人との出会い
・感情の高まり
これらは、時間が経つほど色あせてしまいます。
「あとでやろう」と思った瞬間、熱量は少しずつ失われていくのです。
メリット②:失敗しても修正が早い
早く動けば、失敗も早く経験できます。
そして、早い失敗は致命傷になりにくい。
小さく試して、ダメなら直す。
このサイクルを回せるのが、「善は急げ」の最大の強みです。
「善は急げ」が向いている場面
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直感的に「これは良い」と感じたアイデア
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感謝・謝罪・返信など、誠実さがスピードに直結する行動
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失敗してもやり直せる、小さな挑戦
「急がば回れ」── 成功を確実にする〈持久力〉
「急がば回れ」の本質とは?
「急がば回れ」とは、
急いでいるときこそ、あえて慎重に進めという教えです。
一見、遠回りに見えても、
結果的にはそれが一番安全で確実な道になる──という考え方です。
メリット①:致命的なミスを防げる
近道には、必ずリスクが潜んでいます。
・確認不足
・思い込み
・楽をしたい気持ち
こうした要素が重なると、取り返しのつかない失敗につながることも。
「急がば回れ」は、その落とし穴から私たちを守ってくれます。
メリット②:基礎が力になる
時間をかけて積み上げた準備や基礎は、
本番での揺るぎない自信になります。
地味だけれど、確実。
派手さはないけれど、強い。
それが「急がば回れ」の価値です。
「急がば回れ」が向いている場面
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人生を左右する大きな決断(転職・投資・結婚など)
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基礎力がものを言う学習・スキル習得
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初めて挑む分野や、前例の少ないプロジェクト
【実践】迷ったらこの3つで判断する
「今はどっち?」と迷ったときは、次の3つを自分に問いかけてみてください。
失敗したときのダメージは?
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小さい → 善は急げ
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致命的 → 急がば回れ
そのチャンスに「旬」はある?
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今しかない → 善は急げ
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いつでもできる → 急がば回れ
その近道、楽すぎない?
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「これ、楽だな」と感じたら → 急がば回れ
近道に違和感を覚えたときは、
だいたいその勘は当たっています。
行動の質を支えるのは「準備された心と体」
どちらの言葉を選ぶにしても、
判断の質を決めるのは 自分自身のコンディションです。
焦っているときほど、極端な判断をしがち。
疲れているときほど、間違った近道に飛びつきやすい。
日々のリズムや体調を整えることは、
「善は急げ」と「急がば回れ」を正しく使い分けるための土台になります。
まとめ:二つの言葉は、人生のアクセルとブレーキ
新しい世界に飛び込みたいときは、
「善は急げ」というアクセルを踏みましょう。
確かな未来を築きたいときは、
「急がば回れ」というブレーキを意識しましょう。
この二つは矛盾ではありません。
人生という長い旅を、
速く、そして安全に進むための“操縦装置”なのです。
今のあなたは、どちらを踏むべきタイミングでしょうか。
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