「打ち合わせのメモはスマホに残っているはずなのに、内容を思い出せない」
「手書きノートは好きだけど、どこに何を書いたか分からなくなる」
こんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
読書や仕事で得た知識は、メモを取った瞬間から“情報”から“思考の素材”へと変わります。
つまり、メモの取り方は単なる記録術ではなく、思考の質そのものを左右する行為です。
本記事では、
「デジタル(PC・スマホ)」と「アナログ(手書き)」
この二つのメモ術を、
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スピードと検索性
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記憶への定着
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創造性・思考の深さ
という観点から比較し、
現代人にとって最も実践的なハイブリッド型メモ術を解説します。

デジタルメモ(PC・スマホ)のメリットとデメリット
― 情報を管理する「外部脳」
メリット:圧倒的な検索性と整理力
デジタルメモ最大の強みは、何と言っても検索性です。
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数年前のメモでもキーワード一発で見つかる
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URL・画像・PDF・音声などを一括管理できる
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コピペや共有が簡単で、資料化しやすい
これはもはや「ノート」ではなく、外部ハードディスク。
人間の脳が苦手とする「大量の情報保存」を、完璧に肩代わりしてくれます。
議事録、連絡先、調べ物のログなど、
正確さと再利用性が求められる情報において、デジタルは圧倒的に有利です。
デメリット:思考が浅くなり、記憶に残りにくい
一方で、デジタルメモには落とし穴もあります。
タイピングは速すぎるがゆえに、
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聞いた内容をそのまま打つ
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要約せず、思考を介さずに保存する
という状態に陥りがちです。
これはいわば「逐語録シンドローム」。
脳は
「これは自分で考える必要のない情報」
と判断し、記憶に定着させません。
さらに、スマホやPCには通知という最大の敵がいます。
思考が深まりかけた瞬間に、集中が分断されるのもデジタル特有の弱点です。
アナログメモ(手書き)のメリットとデメリット
― 思考を加速させる「脳のブースター」
メリット:記憶の定着と創造性の向上
手書きメモの最大の価値は、書く行為そのものが思考になる点です。
ペンを動かす動作は脳の広範囲を刺激し、
「これは重要だ」という信号を送ります。
その結果、
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記憶に残りやすい
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自分の言葉で要約する力が鍛えられる
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図・矢印・余白を使った自由な発想が生まれる
といった効果が生まれます。
書くスピードが遅いからこそ、
脳は無意識に情報を選別し、構造化しようとするのです。
デメリット:探せない・失くなる
一方、アナログには明確な弱点があります。
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後から探すのが大変
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ノートが増えると情報が迷子になる
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紛失・劣化のリスクがある
「思考には向いているが、管理には弱い」
これが手書きメモの本質です。
【実践】最強のハイブリッド・メモ術
― ストックはデジタル、フローはアナログ
結論はシンプルです。
考えるときは手書き、残すときはデジタル
メモの目的で使い分ける
| メモの目的 | 最適な方法 |
|---|---|
| 情報の保存・検索 | デジタル |
| 思考整理・学習 | アナログ |
| ToDo・予定管理 | デジタル(通知活用) |
「すべてを一つにまとめよう」とするほど、
どちらの長所も失われてしまいます。
実践フロー:考えてから残す
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手書きで思考を広げる
・読書メモ
・企画の下書き
・悩みの整理 -
重要な結論だけを抽出する
・写真を撮る
・要点をまとめる -
デジタルに集約する
・検索可能な形で保存
・再利用できる状態にする
この流れを作るだけで、
メモは「記録」から「資産」へ変わります。
【整理した知識を深める】 メモの取り方をマスターして思考が整理されたら、次はインプットの質をさらに高めましょう。1冊の本を深く読み込むべきか、多くの本を網羅すべきか。真の知性を磨く読書戦略については、こちらの記事(「多読(量重視)」 vs 「精読(質重視)」)で詳しく解説しています。
まとめ:あなたのメモは脳を助けているか?
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情報を正確に管理したいなら デジタル
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深く考え、理解し、発想したいなら アナログ
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最高の成果を出したいなら 二刀流
メモは「残すため」のものではありません。
未来の自分が考えやすくなるための装置です。

そうすると、タブレットを使えば、手書きしたものをそのまま残せますね。

