友人との会話、SNSでのやりとり、職場でのちょっとしたリアクション――
思わず「なにそれ!」「どういうこと?」と口にすること、ありますよね。
どちらも「驚き」や「疑問」を表す言葉ですが、よく見ると使われ方も、相手に伝わる印象も微妙に違います。
今回は、似たようでいて違うこの2つの言葉について、ニュアンスや使い方のポイントを解説します。
「なにそれ」は、驚き・ツッコミ・軽い否定も含むリアクション
「なにそれ」は、驚き・あきれ・興味・笑いなど、幅広い感情を含む表現です。
基本的には、「それって何?」と内容に対する反応ですが、ツッコミ的に使われることが多いのが特徴です。
使われる場面の例
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「昨日の夜、カップラーメンにチーズ入れたらめっちゃうまかった!」
→「なにそれ(笑)」 -
「上司が今日、サンダルで出勤してたよ」
→「なにそれ、ウケるんだけど」 -
「好きな人にいきなり告白されたの」
→「えっ、なにそれ!? 詳しく聞かせて!」
特徴
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感情のボリュームが大きめ(驚き・笑い・呆れなど)
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一言でツッコミやリアクションを入れたいときに便利
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フレンドリーで軽い印象
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否定や拒否の意味も込められる(例:「なにそれ、ちょっと無理…」)
「どういうこと」は、理由・背景・説明を求める質問
一方で「どういうこと」は、相手の言葉や行動に対して、その意味や理由を知りたいときに使う表現です。
やや真面目寄りで、論理的な説明を求めるニュアンスがあります。
使われる場面の例
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「明日、会えなくなった」
→「えっ、どういうこと?」 -
「もう、やめるって決めた」
→「…どういうこと?何があったの?」 -
「それ、実はウソなんだ」
→「どういうこと?意味がわからないんだけど」
特徴
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相手に説明責任を求めるような印象になることも
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戸惑いや不安、真剣な気持ちが表れる
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シリアスな場面や、人間関係のすれ違いでもよく使われる
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文脈によっては責められているように感じることもある
並べて比較してみよう
項目 | なにそれ | どういうこと |
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主な意味 | 驚き・ツッコミ・呆れ・軽い否定 | 内容や理由を詳しく聞きたい |
感情の方向性 | 感情的で反射的なリアクション | 理性的で背景説明を求める質問 |
印象 | フランク、笑える、親しみやすい | シリアス、少し詰問っぽいこともある |
使用シーン | 友達との会話、SNS、ネタ系の反応など | 真面目な話、関係性にズレを感じたときなど |
言い換え可能語 | マジで?/ウケる/ありえない(笑) | それどういう意味?/なんで? |
同じ状況でどう変わる?使い方の違いを会話例でチェック
例:友達が突然「会社を辞めた」と言ったとき
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A:「実は昨日で会社辞めたんだ」
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B:「なにそれ!?」→驚き&ツッコミ。ちょっと笑い混じりの反応。
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B:「どういうこと?」→本気で心配している様子。理由を聞きたい。
例:恋人から急に「冷めたかも」と言われたとき
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「なにそれ…」→感情的にショックを受けた感じ
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「どういうこと…?」→真剣に関係性の意味を問い直している
どちらを使うかで、聞き手の温度感や関係性の深さがにじみ出るのがポイントです。
TPOを考えて使い分けよう
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仲のいい友人や、カジュアルな場面では「なにそれ」がぴったり
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大事な話や、混乱した気持ちの整理をしたいときは「どういうこと」がおすすめ
でも気をつけたいのは、「どういうこと?」が強く響くこともあるという点。
冷静に使えばいい質問ですが、感情的なトーンで言うと、相手を責めているように感じさせることがあります。
まとめ:「なにそれ」はリアクション、「どういうこと」は確認
ふだん何気なく使っている言葉でも、少しだけ意識を向けると、
相手との距離感や、自分の感情の出し方が変わってきます。
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「なにそれ」は、驚きやツッコミの一言リアクション
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「どういうこと」は、内容を整理して聞き返すときの質問
会話って、ことば一つで印象が変わるもの。
だからこそ、「どんなふうに伝わるか」を意識するだけで、
もっとやさしく、もっと伝わるコミュニケーションができるかもしれません。