「留守」と「不在」という言葉。
この2つを並べてみると、「どう違うのだろう？」と疑問に思うかもしれません。確かに似た意味を持っていますよね。
しかし、会議にいない人を「不在」と表現することはありますが、「留守」とは言いませんよね。
ということは、「留守」と「不在」にははっきりとした違いがあるということです。
そこで、この2つの言葉を徹底的に分析してみました。やはり、「留守」と「不在」には明確な差が存在しました！
この記事では、「留守」と「不在」の意味の違いと使い方について、具体的な例を交えながらわかりやすく解説していきます。
「留守」と「不在」の意味の違い
まずは、「留守」と「不在」の基本的な違いを簡潔にお伝えします。
- 留守：外出して家にいないこと、または、家人が外出している間にその家を守ることを指します。
- 不在：家や特定の場所にいないことを意味します。
一言で表すと、このような違いがあります。
では、さらに詳しくその意味と使い方を見ていきましょう。
「留守」の意味とは
「留守」は、以下の3つの意味を持つ言葉です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 出かけて家にいないこと
最も一般的な意味は、外出して家にいないことを指します。重要なのは、この「留守」が家限定の表現であることです。
例えば、「会議にいない場合」や「スポーツ大会に欠席した場合」に「留守」は使いません。
正しい使い方は、「昨日は買い物で午後から留守にしていました」のように、家を対象にする場合です。
2. 家人の外出中に家を守ること
この意味では、「留守」は家にいない人の代わりに家を守るというニュアンスを持ちます。
本来、「留守」は「皇帝が不在の間、別人が都に留まって守る」という語源から来ています。このため、家を守る人を指すこともあるわけです。
例えば、「今日は私が家を留守番する」というように使います。職場でも比喩的に「誰かが留守番しよう」といった使い方をしますが、基本的には家を対象にします。
3. 気を取られてやるべきことをしないこと
「留守」には比喩的な使い方もあります。ここでは、「家にいない」ことを頭が他に気を取られている状態に置き換えて表現します。
例えば、「おしゃべりばかりしていて、手がお留守になっている」という表現があり、やるべきことが疎かになっている様子を示します。この場合、「留守」の前に「お」を付けて使うのが一般的です。
以上が、「留守」という言葉の持つ3つの意味です。
「不在」の意味とは
「不在」は、家や特定の場所にいないことを指します。
ポイントは、「不在」は家だけでなく、あらゆる場所にいない場合に使えることです。
「家」にいない時にも「不在」を使うことができ、「留守」と同じ意味になります。ただし、「不在」は家に限らず、さまざまな場所で使用できる汎用的な表現です。
具体的な使い方の例
- 家にいない場合：「明日から1週間、出張のため家を不在にします」と言えます。
- 職場で外出中の場合：「○○主任は外出中で、不在です」という表現が適切です。
- 会議などに参加できない場合：「○○部長は、来客中のため今は不在です」といった使い方も可能です。
このように、「不在」はその場所にいないという意味で、家に限らず、会社や会議、その他の場所にも広く使えるため、非常に汎用性の高い言葉です。
「留守」と「不在」の違いを整理
ここで、「留守」と「不在」の違いを整理してみましょう。
「留守」 の意味は以下の3つです。
- 出かけて家にいないこと
- 家人の外出中にその家を守ること
- 気を取られてやるべきことをしないこと（比喩的表現）
一方、「不在」 は、家やその場所にいないことを指します。
「不在」は家に限らず、あらゆる場所で使われる汎用的な言葉です。
つまり、「留守」 は主に家に関するものである一方、「不在」 は場所を問わず広く使える点が大きな違いです。
「留守」と「不在」の辞書での意味
続いて、「留守」と「不在」の辞書による定義を確認してみます。
「留守」の辞書での意味
【留守】
- よそに出ていて家にいないこと。不在。例：「―にする」
- 主人や家人の外出中に家を守ること。また、その人。例：「―を預かる」
- （多く上に「お」を付けて）他のことに気を取られてやるべきことがおろそかになること。例：「勉強がお―になる」
引用元：旺文社国語辞典
解説の通り、「留守」には3つの意味があり、主に家に関連することがわかります。
「不在」の辞書での意味
【不在】
- その場所や家にいないこと。留守。
引用元：旺文社国語辞典
こちらも説明の通り、「不在」は家だけに限定せず、広くその場所にいないことを指しています。
辞書の定義も、先ほどの説明と一致していますね。
「留守」と「不在」の使い方
ここでは、「留守」と「不在」の具体的な使い方を例文で紹介します。
「留守」の使い方
- 例1: 留守や財産状況が分かるSNS投稿は、泥棒にとって貴重な情報。
- 例2: 旅行などで自宅を長期に留守する場合には、現金や貴重品は友人に預けると安心です。
- 例3: 岡山県や県警が固定電話の留守番電話の活用を呼び掛けています。
- 例4: 安易な居留守は思わぬ危険を呼ぶことになるかもしれません。
- 例5: 単身赴任の留守を預かり、私一人で子供を育て上げたようなものです。
「不在」の使い方
- 例1: 少人数で運営している会社なので、不在の場合があります。
- 例2: 来週は日本医労連定期大会のため、共済局は不在となります。
- 例3: スター不在の決勝戦の2日間は、「盛り上がらない」と見る声が多かった。
- 例4: 他にも「当事者」不在の有識者会議が多数存在します。
- 例5: 指定病院等に入院している方などは、その施設内で不在者投票が可能です。
これらの例から、「留守」は家に関する場合に使われる一方、「不在」は場所を問わず、幅広いシーンで使われることがわかります。
まとめ
以上が、「留守」と「不在」の意味の違いと使い分けについての解説でした。
- 家にいない場合は、「留守」と「不在」どちらも使うことができます。
- 家以外の場所にいない場合は、基本的に「不在」が適切な表現です。
また、「留守」には、単に家にいないという意味以外に、家人の外出中に家を守ることや、気を取られてやるべきことをしないという意味も含まれています。
このように、シチュエーションによって「留守」と「不在」を適切に使い分けることが大切です。
