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「損害」と「損失」の違い!確かな差をわかりやすく解説

言葉

「損害」と「損失」、混同しやすい言葉ですね。

実は同じ意味なのでしょうか?例を挙げると、「台風による損害」と言う場合もあり、「台風による損失」とも言います。

しかし、例えば「彼の他界は俳優界にとって大きな損失」と表現するのに対し、「大きな損害」とは感じさせないことがあります。これは、「損害」と「損失」が同じに見えても、実際には違いがあるということを示唆しています。

そこで、この記事ではこの二つの言葉の意味と、それぞれの適切な使い分けを徹底的に分析しました。確かに、「損害」と「損失」には明確な違いが存在します。

この記事で、「損害」と「損失」の違いと、それぞれの言葉がどのように使われるべきかを、具体的な例を交えて解説していきます。

 

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「損害」と「損失」の意味の違い

最初に、「損害」と「損失」の意味の違いについて簡潔にご説明します。

「損害」は、金銭や物などが外的要因によって損なわれることを指します。つまり、外からの影響で何かを失う状況に適用される言葉です。

一方、「損失」は、金銭や物の損害と同様に、失われることを意味しますが、こちらは外的要因だけでなく、自己の過失や選択によっても生じる可能性があります。

さらに、「損失」は金銭や物だけでなく、人材、エネルギー、力、スピードなど、より幅広い範囲に適用されることが多いです。

このように、両語の用途には微妙な違いがあります。

次に、これらの違いを更に詳細に掘り下げていきましょう。

「損害」の意味とその使用法

「損害」とは、金銭や物質的なものを失うことを指します。この定義は「損失」と共通しています。

しかし、「損害」は特に外的要因によって発生する損失に使用されることが一般的です。これには、「損害を受ける」や「損害を被る」といった表現が含まれ、ここでのポイントは、損害が他者や外的事象によって引き起こされることを示します。例えば、自然災害や事故による損害などが該当します。

逆に、「損害を与える」という表現は、加害者が他者に対して何らかの損失を与えた状況を指します。

自分の直接的な過失や行為による損失では「損害」という語は一般的に使われません。主な外的要因には、前述のように事故や災害が含まれます。

混同されやすいのが、「損害を出す」や「損害を出してしまった」という表現です。たとえば、「事業の失敗で損害を出す」という場合、表面的には自己の過ちによる損害のように見えますが、実際にはその影響が取引先や金融機関に及ぶことが多く、直接的な個人の財産損害とは異なります。

また、職場でのミスにより「損害を出してしまった」と言う場合、その損害は社員が雇用主である企業に対して負うものです。

「損失」の意味とその多用途性

「損失」とは、金銭や物を失うことを意味しますが、「損害」とは異なり、自分の過失やさまざまな内外的要因による損失の際にも使用されます。

外的要因による場合の「損失」は、「台風による多大な損失を被った」という表現で、「損害」と入れ替えても適切です。

しかし、自分の過失による場合、例えば「財布をどこかで落としたが、損失額は少なかった」といったシナリオでは、「損失」の方がより自然に感じられます。これは、自己のミスによって自らが直接的に失ったものに対して使うからです。

盗難の場合、例えば「財布が盗まれた」では、「損害」を使用しても違和感はありませんが、これは外的要因によるものです。

「損失」は金銭や物理的なものだけでなく、人的資源、エネルギー、信頼、機会など非物質的な損失にも適用されます。たとえば、「俳優界にとって彼の他界は大きな損失」という使い方や、「信頼関係の損失」「信用の損失」「機会損失」など、幅広いシナリオで使用されます。

エネルギーの面では、「エネルギーの損失が効率低下につながる」というように、物理的な力やスピードの減少を表す場合にも用いられます。これらの例からも分かるように、「損失」は「金銭」や「物」だけでなく、さまざまな形態の損失に対して適用されることが一般的であり、「損害」よりも使用範囲が広いと言えます。

「損害」と「損失」の違いの整理

「損害」と「損失」はどちらも金銭や物を失うことを指す点で基本的な意味は同じです。

しかし、主に外的要因による損失を指す場合には「損害」という言葉が用いられます。これに対し、「損失」は外的要因だけでなく、自己の過失による損失にも適用されるため、使用範囲が広がります。

加えて、「損失」は金銭や物の損失に限らず、人的資源、エネルギー、力、スピードといった非物質的なものにも使用される特徴があります。これにより、「損失」はさまざまな状況での損失を表現するのに適した用語となっています。

このように、「損害」と「損失」は似て非なる用語であり、それぞれの文脈で適切に使い分けることが重要です。

 

「損害」と「損失」の辞書での意味

辞書による「損害」と「損失」の定義を詳しく確認してみましょう。

「損害」の辞書での意味

【損害】

  1. そこなうこと。そこなわれること。
  2. 利益の失われること。また、失われた利益。損失。「損害を受ける」

引用元:旺文社国語辞典

この定義から、「損害」は特に利益の失われることや、そこなわれることを指すという点が強調されています。しかし、ここでの「損失」との言及は、両語が近い意味を持つことを示していますが、文脈による使い分けの重要性は示されていません。

「損失」の辞書での意味

【損失】

  1. そこない失うこと。「人材の損失」
  2. 利益・財産などを失うこと。また、その額。損害。「損失を補填する」↔《利益》

引用元:旺文社国語辞典

「損失」の定義では、利益や財産の失うことに加えて、具体的に失われた量や額に焦点を当てる場合が多いことが分かります。また、人材など非物質的な要素の失いも含まれることが特徴です。

辞書の定義を見ると、確かに「損害」と「損失」は似た意味合いを持ちますが、使用される文脈に応じて意味が微妙に異なることが明らかになります。

 

「損害」と「損失」の使い方

ここでは、「損害」と「損失」の具体的な使い方を例文を通じて紹介します。

「損害」の使い方

・自然災害の影響で発生した損害には、保険金の支払いが適用されないことがあります。

・他人を公に侮辱した場合、法的な手続きを経て高額な損害賠償請求がなされる可能性があります。

・私たちはペット専用の損害保険を提供する会社です。

・交通事故における示談交渉では、治療費や休業による損害などが考慮されます。

「損失」の使い方

・金融危機の結果、個人投資家は巨額の損失を経験しました。

・美容院を経営する過程で7000万円の経済的損失を被った事例があります。

・効率的なエネルギー使用を目指し、電力損失を最小限に抑える半導体技術が開発されました。

・企業にとって、有能な社員の退職は経営上の大きな損失になり得ます。

これらの例文は、「損害」と「損失」がどのような文脈で使われるかを明示し、それぞれの言葉の適切な使用法を理解するのに役立ちます。

 

まとめ

この記事では、「損害」と「損失」の用語の違いとその使い方について掘り下げてきました。

「損害」は金銭や物質的なものが外的要因によって損なわれた際に使われる言葉で、事故や災害などが典型的な例です。

一方で「損失」は、外的要因に加えて自己の過失や選択による損失も含まれるため、使用の範囲が広がります。また、損失は金銭や物質的なものに限らず、人的資源やエネルギー、信頼などの非物質的な要素にも適用されることが特徴です。

この違いを理解し、適切な文脈でこれらの言葉を使い分けることが、正確なコミュニケーションには不可欠です。

 

そういわれれば「損害賠償」と言っても「損失賠償」とは言いませんね。

では、こちらはどうでしょう?

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