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ロイヤルミルクティーは日本生まれだった?:ミルクティーとの違いは?

名称

スイーツを楽しむ際に欠かせないのが紅茶です。特に、甘く芳醇な香りを放つミルクティーとロイヤルミルクティーは、お菓子との組み合わせに最適です。

しかし、表面上似ているこれら二つの飲み物には、何が違うのでしょうか?そして、紅茶をこよなく愛するイギリスにおけるこれらの飲み物の位置付けや、それぞれの名称がどのように生まれたのかも興味深いところです。

この記事では、「ミルクティー」と「ロイヤルミルクティー」の間の細かな違いを探り、それぞれの特徴を明らかにしていきます。ティータイムの小話として、この知識を楽しんでみてください。

 

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ミルクティーの真髄

最初にミルク、それとも紅茶?

日本でも親しまれているミルクティーは、実はミルクを基準に紅茶を加える方法で作られます。一方で、「ミルクティー」という表現自体は日本独自のもので、紅茶の故郷であるイギリスでは「ティー・ウィズ・ミルク」と呼ばれるのが一般的です。

イギリスではこの飲み物が非常に人気があり、特に冷たいミルクに熱い紅茶を注ぐことで、濃厚で香り高い一杯が楽しめます。この際、アッサムやアールグレイのような風味豊かな茶葉が好まれます。

伝統的に、ヨーロッパやイギリスでは「最初にティーカップにミルクを注ぎ、その後に紅茶を加える」という方法が美味しいとされていますが、日本ではこの逆の手順であることが多いですね。

驚くべきことに、イギリス内では「ミルクを先に入れるか紅茶を先に入れるか」について、130年以上もの長い間議論が続けられてきました。

この古くからの論争に終止符を打ったのは、なんと英国王立化学協会です。彼らは2003年に、ミルクを先に入れた方が、紅茶とミルクが最適な状態で混ざり合い、最高の味わいを引き出せると発表しました。これは、ミルクを先に入れることで、タンパク質の変性が抑えられ、全体としての味のバランスが良くなるためです。

このように、英国王立化学協会がミルクティーの淹れ方について深く研究し、公式な見解を発表したこと自体が非常に興味深いですね。そして、イギリス人がミルクティーをこれほどまでに愛してやまないことが、長年の議論を経ても明らかになっています。

紅茶の旅:東アジアからヨーロッパへの伝播

紅茶の製法は、乾燥させた茶葉を発酵させることにより行われます。この点で、日本茶の製造プロセスと類似していますが、紅茶と日本茶の主要な違いは、使用される茶葉の種類と発酵の程度にあります。特に、紅茶は茶葉を完全に発酵させて作られます。

ミルクを加えて紅茶を楽しむ習慣は、モンゴルやチベットなど、アジアの一部地域で長い歴史を持っています。この風習に関しては、1655年ごろ、オランダの東インド会社の代表が中国の皇帝によって招待された際に、紅茶にミルクを加える方式が提供されたというオランダ人旅行者の記述が残されています。

そして17世紀の後半、この発酵した茶葉はイギリスに伝わり、やがてアフタヌーンティーの習慣とともにイギリス全土に広まることになりました。

 

ロイヤルミルクティーの製法と特徴

牛乳で煮出す、風味豊かな紅茶

ロイヤルミルクティーは、紅茶の葉を直接温めた牛乳で煮出して作る、濃厚で風味豊かな飲み物です。この製法では、まず紅茶の葉に熱湯を少しだけ注ぎ、その後で室温の牛乳を加え、一緒に加熱して煮出します。

おすすめの茶葉には、味わい深いアッサムやフルーティーな香りのアールグレイが挙げられます。ロイヤルミルクティーを作る際には、牛乳が沸騰する直前で火から下ろすことが、理想的な味を引き出す秘訣とされています。

紅茶を注ぐ時は、茶こしを通して茶葉がカップに入らないようにすることが重要です。

*なお、チャイは主にインドで人気のある飲み物で、ロイヤルミルクティーと同様に、紅茶を牛乳で煮出して作られます。

ロイヤルミルクティーは日本生まれ

ロイヤルミルクティーがイギリス発祥の飲み物と思われがちですが、実はその誕生の背景には日本があります。この独特な飲み方を開発したのは、紅茶販売大手のリプトンで、具体的には京都三条にある「サー・トーマス・リプトン」の喫茶店で初めて提供されました。

リプトンは昭和40年代に「ロイヤル」という名前を冠した紅茶製品を市場に投入しました。その中で、イギリスの伝統的なミルクティーをより一層楽しめるよう、ロイヤルミルクティーのアイデアが生まれました。

したがって、イギリスや他の国々ではロイヤルミルクティー(Royal milk tea)という飲み物は実際には存在しません。海外で近い飲み物を指す場合、「シチュードティー(stewed tea)」という表現が使われることがあります。これは、シチューを煮込むように紅茶の葉を煮出すことから来ているわかりやすい比喩です。

ミルクティーとロイヤルミルクティーの淹れ方の違い

それぞれの淹れ方の特徴

ここで、ミルクティーとロイヤルミルクティーの主な違いについてお話しします。

■ミルクティー

  • 基本的には紅茶にミルクを加えるスタイルです。
  • 日本では「ミルクティー」と呼ばれますが、イギリスではこの飲み物を「ティー・ウィズ・ミルク」と称します。
  • イギリスの伝統的な方法では、ティーカップにまず冷たいミルクを注ぎ、その後に紅茶を加えることが推奨されています。
  • アッサムやアールグレイのように、ミルクの味を引き立てる強い香りや味わいのある茶葉が選ばれることが多いです。

■ロイヤルミルクティー

  • 牛乳に直接茶葉を入れて煮出す方法で作ります。
  • ロイヤルミルクティーは日本で考案されたため、実際には和製英語になります。
  • 海外ではこの飲み物のことを「シチュードティー」と呼ぶことがありますが、ロイヤルミルクティーという名称は日本独自のものです。
  • ロイヤルミルクティーにも、ミルクティーと同じく、アッサムやアールグレイなどの香り高く、味わい深い茶葉が推奨されます。

このように、ミルクティーとロイヤルミルクティーはその淹れ方において大きな違いがあり、それぞれが独自の風味と特徴を持っています。

 

まとめ:紅茶とスイーツで完璧なティータイムを

紅茶はその芳醇な香りで知られていますが、独特の苦味を苦手とする方も少なくありません。そんな時には、苦味を柔らかくするミルクティーがおすすめです。

ミルクティーとは紅茶にミルクを加えたもので、ロイヤルミルクティーはさらに一歩進んで、茶葉を牛乳で煮出すという独特の方法です。イギリスでは、ミルクティーをどう淹れるかが130年以上にわたる長い論争のテーマとなっていました。

おいしいお菓子と共に、ミルクティーまたはロイヤルミルクティーで、贅沢なティータイムを楽しむのはいかがでしょうか?それぞれが持つ独自の風味と、スイーツとの相性の良さは、きっとあなたのティータイムを特別なものに変えてくれるはずです。

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