日常でも仕事でも、何かトラブルが起きたとき、
私たちはつい、
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「なぜこんなことになったんだ?」
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「どうすればいいんだ?」
と、どちらか一方の思考に偏ってしまいがちです。
しかし、
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「原因ばかり掘って、時間だけが過ぎた…」
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「行動したけど根本的に何も変わらなかった…」
といった経験をした人も多いのではないでしょうか。
問題解決には、
「なぜ?」で原因を深く掘る力と、
「どうすれば?」で前に進む行動力の両方が必要です。
この記事では、
この2つの思考法の特性、メリット・デメリット、
そして「どの状況でどちらを選ぶべきか」という判断方法を
実用的に解説します。
行き詰まりを打破し、最短で成果を出すための
“思考スイッチング術”を身につけましょう。

「なぜ?」を繰り返す思考法:原因究明のメリットとリスク
「なぜ?」を繰り返す思考法は、
トヨタ生産方式の“5 Whys”でも知られる非常に強力な技術です。
メリット:問題の「根本原因」を特定できる
再発を防ぐ力が強い
表面的な対処ではなく、
本当に問題を生み出している“構造”を明らかにできます。
知識と仕組みが積み上がる
原因のメカニズムを理解することで、
将来同じ問題を未然に防ぐ仕組みが作れるようになります。
まさに、「深く掘る者は、広く見渡せる」という思考法です。
リスク:時間損失とネガティブ思考の罠
行動が遅くなる
シンプルな問題でも原因を深掘りしすぎると、
解決より分析に時間を使ってしまいます。
責任追及になりやすい
「なぜ?」は問い詰めるニュアンスになりやすく、
チームでは責任のなすり合いを生むことも。
「なぜ?」は強力ですが、
扱い方を誤ると思考停止の沼にハマります。
「どうすれば?」から始める思考法:即時行動のメリットとリスク
「どうすれば?」思考は、
未来志向で実践的なアプローチです。
メリット:「前進」と「勢い」が生まれる
スピーディな対応ができる
緊急対応や火消しでは、
原因より“まず動く”ことが重要。
ポジティブな思考になる
「どうすればよくなるか?」という問いは、
意識を未来へ向け、チームの士気も上がりやすいです。
改善の第一歩は、
ときに小さな一歩で十分です。
リスク:「対症療法」で終わりやすい
根本原因を放置する危険
応急処置は早いが、再発率も高い。
学習が蓄積されない
行動だけで終わると、
改善の知識・再発防止策が積み上がりません。
「どうすれば?」は前に進む力ですが、
使いすぎれば同じ失敗のループに陥ります。
【実践】行き詰まりを突破する「思考スイッチング術」
最も重要なのは、
問題の性質によって「なぜ?」と「どうすれば?」を切り替えること。
状況別:どっちを使うべき?
| 問題の性質 | 選ぶ思考法 | 理由 |
|---|---|---|
| 再発している問題 | 「なぜ?」 | 対症療法が効かなくなっているため、根本原因の特定が最優先 |
| 緊急性が高い問題 | 「どうすれば?」 | まず被害拡大を防ぐ必要がある |
| 新しい挑戦・未知の領域 | 「どうすれば?」 | 原因が分からないため、行動しながら原因を探る方が早い |
「どちらが正しいか」ではなく、
状況に合うかどうかが重要です。
両者を組み合わせる「フィードバック・ループ」
真の問題解決は、この流れで行います。
① START:どうすれば?
応急処置をして、まずは止血。
② STOP:冷静に立ち止まる
一時的に落ち着いたら、次へ進む前に思考を切り替える。
③ REVIEW:なぜ?
根本原因を分析し、失敗から学ぶ。
④ NEXT:どうすれば?
原因に基づいて再発防止策を決定し、実行。
このループが回り始めれば、
同じ失敗を繰り返さない“強い問題解決力”が身につきます。
まとめ:あなたは「原因究明型」?それとも「即時行動型」?
失敗を二度と繰り返したくない、
問題の本質を理解したい——
そんな時は 「なぜ?」思考。
とにかく前に進みたい、
時間がない、火消しが必要——
そんな時は 「どうすれば?」思考。
どちらか一方に偏るのではなく、
状況に応じて思考を切り替えることが、
最短で成果を出す突破口になります。
✍️ 最後に
私自身、ブログ運営でも日常生活でも、
“原因ばかり探して動けない”時と
“行動ばかりして同じミスを繰り返す”時の両方を経験してきました。
問題解決とは、
「分析」と「行動」のバランスを取る作業だと気づきます。
あなたが今直面している問題は、
どちらの思考が必要なタイミングでしょうか?

