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「許可」と「承認」の違いとは? 似ているけれど立場で変わる日本語のニュアンス

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言葉

ビジネス文書や日常会話でよく使われる「許可」と「承認」。どちらも「認める」という意味を持ちますが、実は込められたニュアンスや立場に違いがあります。「許可」は制限されていることを特別に認める行為、「承認」は提出されたものや判断を認め、確認する行為を指します。

本記事では、辞書的な意味、由来、日常やビジネスでの使い分け、関連語との違いまで、多角的に整理して解説します。

 

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「許可」の意味と使い方

辞書的意味

「許可(きょか)」は、「禁止されている行為を特別に認めて行わせること」を意味します。
つまり、制約や規制が前提にあり、それを外して「してよい」とするのが「許可」です。

由来

「許」は「ゆるす」、「可」は「可能」の意。合わせて「可能とする」という意味になります。

使用例

  • 休暇の許可を得る

  • 営業に必要な資格の許可を受ける

  • 入室許可

→ ここでは「もともと制限されていたこと」を解禁するニュアンスが強いです。

「承認」の意味と使い方

辞書的意味

「承認(しょうにん)」は、「相手の申し出や提案を認めること」「確認して認可すること」を意味します。
必ずしも禁止されているものではなく、提出された内容を「認める」「受け入れる」とするのがポイントです。

由来

「承」は「受け止める」、「認」は「認める」。合わせて「受け止めて認める」という意味になります。

使用例

  • 上司の承認を得てから稟議を回す

  • 企画案が承認された

  • アプリのアクセス承認

→ 「確認・合意を経て認める」というニュアンス。

「許可」と「承認」のニュアンスの違い

表現 意味 立場 ニュアンス
許可 禁止されていることを特別に認める 上位者→下位者 「してよい」と制限解除する行為
承認 提出・申請されたものを確認し認める 上位者→下位者(合意的) 「認める」「受け入れる」行為

 

ビジネスシーンでの使い分け

  • 稟議や企画書 → 承認
     例:「この稟議は部長の承認が必要です」

  • 休暇や資格 → 許可
     例:「休暇の許可をいただきました」

  • 契約や権限に関わるもの → 許可
     例:「工事の許可を申請する」

 

関連語との比較

  • 認可:主に行政機関が法律や規則に基づいて「認める」こと。「営業認可」「薬事認可」など。

  • 了承:軽く「わかりました」「いいですよ」と承知すること。ビジネス文書ではややカジュアル。

  • 承諾:相手の依頼や願いを受け入れること。「ご依頼を承諾いたします」など。

 

誤った使い方に注意

  • 「有給の承認をもらった」→ 不自然ではないが、本来は「許可」が適切。

  • 「この企画の許可をいただいた」→ 制限を解く場面ではなく、確認・承認が必要なので「承認」が自然。

 

まとめ

「許可」と「承認」はどちらも“認める”という点では共通していますが、立場や場面によってニュアンスが異なります。

  • 許可:禁止・制限されていることを特別に認める(制限解除)

  • 承認:提出や申請に対して確認し、認める(合意・確認)

場面に応じて適切に使い分けることで、より正確で信頼される言葉遣いができます。

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