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「我慢」と「遠慮」の違いを考える― どちらも“控える行動”だけど、その理由と心の動きが違う?

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言葉

「もうちょっと我慢しようかな」「いや、ここは遠慮しておこう」――
どちらも似たような場面で使われる言葉ですが、実は意味や感情の動きが少し違います。

この記事では、「我慢」と「遠慮」の違いを、言葉の背景・使われ方・ニュアンスの違いからわかりやすく解説していきます。

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「我慢」とは?

「我慢」は、つらさや欲求を自分の中で抑えることを意味します。
本来は「我(が)を抑えて堪える」ことから来ており、自分の内側に生じた衝動や感情を、ぐっと押しとどめるニュアンスがあります。

 例文:

  • トイレに行きたいけど、会議中だから我慢する。

  • 甘いものが食べたいけど、ダイエット中だから我慢する。

  • 上司にムカッとしたけど、ここは我慢した。

内的な衝動を、自分のため・状況のために耐えるという使い方が多く、「忍耐」「抑圧」などが近いイメージです。

「遠慮」とは?

「遠慮」は、他人への気遣いや配慮から、自分の行動を控えることを意味します。
本来の語源は「遠くを考える=先々を思って慎むこと」であり、今の場の空気や相手との関係を意識した行動です。

 例文:

  • お菓子をすすめられたけど、最初は遠慮しておいた。

  • 今日は私の話ばかりしたから、あとは遠慮して聞き役に回ろう。

  • そんなに高いものは遠慮します。

相手に対する配慮や場の空気を読む意識があり、「気を遣う」「控えめにする」が近いニュアンスです。

比較してみよう:我慢と遠慮の違い

項目 我慢 遠慮
意味 自分の欲求・感情を抑えること 相手や場に配慮して控えること
対象 自分の内面(欲・感情・衝動) 相手や周囲への気遣い・礼儀
ニュアンス 耐える、つらい、苦しい 控える、慎む、礼儀正しい
ポジティブな印象 根性・自己コントロール 謙虚・思いやり
ネガティブな印象 無理している・ストレスをためることもある 言いたいことを言えない・消極的に見えることもある

 

似て非なる例で使い分け!

同じように「控える」でも違う意味になる例:

  • 飲み会で「今日は車だから、飲み物は遠慮します」→ 周囲への配慮

  • 飲みたいけど「仕事が残ってるから我慢する」→ 自分の欲望を抑制

一言に含まれる心情が違う:

  • 「我慢します」→(本当は嫌だけど)しょうがないから耐える

  • 「遠慮します」→(相手のことを思って)控えておく

 

言い換えはできる?

部分的に言い換え可能なケースもありますが、完全には置き換えにくいのがこの2語の特徴です。

たとえば、

  • ✕「我慢しておきます」→ 丁寧語っぽくてもやや変

  • ◎「遠慮しておきます」→ 社交場面で自然に聞こえる

反対に、

  • ✕「遠慮して腹を立てないようにした」→ 意味が曖昧

  • ◎「我慢して怒りを抑えた」→ はっきりした表現

 

まとめ

「我慢」は、自分の内なる欲求や感情を抑えて、耐える行為。
「遠慮」は、相手や場の空気を読んで、控える行為。

どちらも“控えめ”な印象を持つ言葉ですが、その背景にある感情や理由はまったく異なります。
ときには「我慢せずに言ってよ」「そんなに遠慮しないで」なんて声をかけたくなる場面もありますよね。

場面や心情に合わせて、この2つの言葉をうまく使い分けてみてください。

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