「すみません、お手数おかけします」
「申し訳ありません、ご迷惑をおかけします」
どちらも丁寧な言い方のようですが、実は使う場面が違うって知っていましたか？
ビジネスシーンや日常会話でよく使うこれらのフレーズ。
似ているようでいて、相手に与える印象や意味には明確な違いがあります。
今回は、「お手数おかけします」と「ご迷惑をおかけします」の違いを、
わかりやすい例とともに紹介します。
「お手数おかけします」とは？
▶ 意味
相手の手間や労力をかけさせてしまうことへの謝意や恐縮の気持ちを表すフレーズです。
謝罪というよりは、「面倒をかけてしまいすみません」といった軽い恐縮が中心。
▶ 使う場面
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相手に何かをお願いするとき
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手続きを依頼するとき
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確認や対応をお願いする場面
▶ 例文
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「お忙しいところ恐れ入りますが、お手数おかけしますがご確認をお願いいたします。」
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「お手数おかけしますが、再度ご連絡いただけますでしょうか。」
▶ ポイント
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あくまで“手間”への恐縮であり、迷惑行為ではない
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丁寧でやわらかい印象を与える
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相手に好意的な前提がある（＝やってもらえる想定）
「ご迷惑をおかけします」とは？
▶ 意味
相手に実害・不都合・不快な思いなどの迷惑を与えることへの謝罪を示す言葉です。
“被害”を与えた可能性がある場合に使います。
▶ 使う場面
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約束を守れなかったとき
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予定を急に変更したとき
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トラブルや支障が相手に影響する場合
▶ 例文
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「本日は突然の変更となり、ご迷惑をおかけし申し訳ありません。」
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「機器の不具合により、ご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。」
▶ ポイント
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“相手にとって明らかな不利益”を伴う場合に使う
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謝罪の度合いが強い
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ビジネスではお詫び状・謝罪メールなどで頻出
比較してみよう：「お手数」と「ご迷惑」の違い
| 比較項目 | お手数おかけします | ご迷惑をおかけします |
|---|---|---|
| 意味 | 相手に手間や労力をかけることへの配慮 | 相手に迷惑や不利益を与えることへの謝罪 |
| 使う場面 | お願いや確認を依頼するとき | トラブル・遅延・混乱を与えてしまったとき |
| 謝罪の重さ | 軽め（恐縮・お願いベース） | 重め（明確な謝罪） |
| 相手への影響 | 手間・時間の消費程度 | 損害・迷惑・不快感などの実害あり |
| 印象 | 丁寧で前向きな依頼 | 誠実で責任を取る姿勢を示す |
よくある間違いと注意点
❌「お手数」と「ご迷惑」を混同して使う
たとえば――
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「商品の発送が遅れており、お手数をおかけしております」
→ ✕ 誤用。実際には迷惑がかかっているので、「ご迷惑」が正解。 -
「ご不明点がありましたら、ご迷惑をおかけしますがご連絡ください」
→ ✕ 誤用。これはお願いなので「お手数」が適切。
✅ 正しく使い分けよう
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相手に何かをしてもらう → 「お手数おかけします」
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相手に実害・不快な影響がある → 「ご迷惑をおかけします」
応用編：過去形や尊敬語との組み合わせ
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「お手数をおかけしました」
→ 何かしてもらった後の感謝と恐縮の言い方 -
「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
→ トラブルなどがすでに発生したことへの深い謝罪
また、目上の方やお客様に使う場合は、
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「お手数をおかけいたします」
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「ご迷惑をおかけしております」
といった丁寧な表現に言い換えると、より敬意が伝わります。
まとめ：「手間」か「迷惑」か、それが分かれ道
「お手数おかけします」と「ご迷惑をおかけします」は、
どちらも丁寧な言葉ではありますが、その謝るポイントが違います。
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✅ お手数：相手に手間をかけてしまうことへの配慮
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✅ ご迷惑：相手に実際の不利益や迷惑を与えてしまったことへの謝罪
シーンによっては、どちらを使うかで相手の受け取る印象が大きく変わります。
日常会話やビジネスメールで“言葉の選び方”を少し意識するだけで、
あなたの印象はもっとスマートに、丁寧に伝わるはずです。
