「すぐに対応します」「後で確認します」。
どちらも急いでいるように聞こえる日本語ですが、
実は人によって “どのくらいの時間を想定しているか” が大きく異なります。
特にビジネスではこの認識の差が
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納期遅れ
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誤解
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信頼低下
につながることもあるため、
言葉の背景にある“時間の幅”を知っておくことが大切です。
「すぐに」:すぐ=ほぼ“今”に近いスピード感
「すぐに」は、
ほとんど間を置かず、即時に近い行動を意味します。
とはいえ、すべての人が同じイメージを持つわけではありません。
多くの人のイメージ
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数秒後
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数十秒後
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数分以内
→ 基本は「即対応」
ビジネスの場では
「すぐに対応します」
→ 5〜10分以内に動き始めるイメージを持つ人が多数。
例文
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メールを確認したら、すぐに返信します。
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トラブルが発生したため、すぐに現場へ向かいます。
▶︎ポイント:
“今すぐ動く”という行動の意思を含む
「後で」:幅が広すぎる“あいまい時間”
一方の「後で」は、
具体的な時間がまったく決まっていない表現です。
どのくらいの時間か?
人によって以下のようにバラバラです👇
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数分後
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数十分後
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今日中
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そのうち
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明日でもいい?
会話のイメージ
「後でやるね」
→ 人によっては“忘れる可能性”を含む
ビジネスでは危険
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いつやるのか伝わらない
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相手の期待する時間と大きくズレる
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期限意識が曖昧と思われる
例文
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資料の修正は、後で対応しておきます。
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ミーティングの内容は後で共有します。
▶︎ポイント:
“後で=時間が定義されない”ため誤解が最大
ニュアンスの違いを比べてみよう
| 表現 | 時間の範囲 | 相手に伝わる印象 | ビジネス適性 |
|---|---|---|---|
| すぐに | 数秒~数分以内 | 即対応・スピード感 | ◎ |
| 後で | 数分~明日・不明 | 具体性なし・曖昧 | △(注意) |

ビジネスで最もトラブルになる場面
① 上司が「後でやっておいて」
→ 上司の“後で”=今日中
→ 部下の“後で”=明日やればOK
ズレが発生してトラブルに。
② お客様から「すぐに対応できますか?」
→ “10分以内”の感覚で聞いている場合が多い
→ 1時間後に対応するとクレームになる
③ メールで「後で返信します」
→ “今日中”と思われがち
→ 自分は“明日でもいい”と思っている
→ 誤解が起こる
ビジネスでは「具体的な時間」に変換するのが正解
誤解を避けるには
「すぐに」「後で」を 数値化 するのがベスト。
「すぐに」の言い換え
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5分以内に対応します
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状況を確認し次第すぐ連絡します(5〜10分)
「後で」の言い換え
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30分後に確認します
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15時までに対応します
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本日中に共有します
「何を・いつまでに・どのくらい」
を明確に言うだけで、トラブルはゼロに近くなります。
まとめ
「すぐに」と「後で」は、
どちらも“急ぐ/少し先”という意味ですが、
時間の範囲と伝わり方に大きな差があります。
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すぐに
→ 数秒〜数分以内の即時行動
→ ビジネス向け、誤解が少ない -
後で
→ 時間の幅が広すぎる
→ 誤解しやすく、ビジネスでは厳禁
大切なのは、
相手の時間感覚に依存しない“具体的な言い方”を選ぶこと。

