「あの人、ちょっとひつこいよね」 「えっ、それってしつこいの間違いじゃないの?」
こんな会話をしたことはありませんか? 東日本の方には馴染みが薄い「ひつこい」という言葉ですが、実は西日本の広い範囲で当たり前のように使われている表現です。
「『ひつこい』は間違いなの?」 「なぜ地域によって言い方が違うの?」
実はこの違い、単なる言い間違いではなく、日本の**東と西で起きた「発音の逆転現象」**に秘密がありました。 この記事では、「しつこい」と「ひつこい」の意味の違いから、意外な語源、そして「し」と「ひ」にまつわる面白い地域差を分かりやすく解説します!

🧐 「しつこい」と「ひつこい」どっちが正解?
結論から言うと、標準語(公的な場や辞書で使われる言葉)は「しつこい」です。
| 言葉 | 立ち位置 | 主な使用地域 |
| しつこい | 標準語 | 日本全国(特に東日本) |
| ひつこい | 方言・慣習語 | 関西・中国・九州(西日本) |
しかし、「ひつこい」が間違いかと言われれば、そうではありません。西日本では長い歴史を持って使われてきた、地域に根付いた言葉なのです。
🔊 なぜ「し」と「ひ」が入れ替わるの?
日本には昔から「し」と「ひ」の発音が混ざりやすいという特徴があります。面白いのは、東と西でその「混ざり方」が逆なことです。
西日本: 「し」が「ひ」になる
関西や九州では「し」を「ひ」と言う傾向があります。
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しつこい → ひつこい
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質屋(しちや) → ひちや
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敷く(しく) → ひく(例:布団をひく)
東日本(特に江戸っ子): 「ひ」が「し」になる
逆に、江戸っ子は「ひ」を「し」と言ってしまいます。
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人(ひと) → しと
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朝日(あさひ) → あさし
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コーヒー → コーシー
「しつこい」が標準語になったのは、明治以降に東京の言葉がベースになったためです。もし西日本の言葉がベースになっていたら、今ごろ教科書には「ひつこい」と載っていたかもしれませんね。
📚 「しつこい」の意外な語源 4選
なぜ「しつこい」と言うようになったのか。実はいくつかの面白い説があります。
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「躾(しつけ)+濃い」説 何度も繰り返し教え込む(しつけ)のが「濃い」から。
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「執(しゅう)+濃い」説 執念深く、物事に執着する様子が「濃い」から。
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「しつくどい」変化説 「しつこい」+「くどい」が合体した「しつくどい」が短くなった。
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「湿濃(しつこう)」説 江戸時代の本には、ベタベタと湿り気があって離れない様子を「湿濃」と記したものがあります。
✅ まとめ
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標準語は「しつこい」。
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「ひつこい」は西日本の豊かな表現の一つ。
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この違いは、日本古来の「し」と「ひ」の発音の入れ替わりから来ている。
「ひつこい」という響きには、標準語の「しつこい」よりも、どこか執念深さが強調されたような独特のニュアンスを感じる人も多いようです。言葉の背景を知ると、日常の会話が少し楽しくなりますね!
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