卵はキッチンの必需品であり、卵かけご飯やお弁当のゆで卵など、様々な食事に活用できる万能食材です。
しかし、冷蔵庫の中で生卵とゆで卵を一緒に保管してしまい、どちらがどちらか分からなくなったことはありませんか?さらに、生で食べる場合と茹でた場合では、栄養価に差が生じるのか疑問に思うこともあるでしょう。
この記事では、次の点に焦点を当てて説明します:
- 生卵とゆで卵の栄養価に差はあるのか
- 生卵とゆで卵を見分ける方法
これらの情報をもとに、卵をより賢く使いこなしましょう!
生卵とゆで卵の間で栄養価に差はあるのか?
生卵とゆで卵:栄養素の比較 市場で手に入る生卵は、サイズによってSSからLLまでの6段階に分類されており、一般的にはMまたはLサイズがよく使用されます。
ここでは、「Mサイズ(60g)」の卵を例に取り、生と茹でた状態での主要な栄養価を比較します。
栄養素 | Mサイズ(60g)1個あたり | |
生卵 | ゆで卵 | |
カロリー | 91kcal | 91kcal |
タンパク質 | 7.4g | 7.7g |
脂質 | 6.2g | 6.0g |
炭水化物 | 0.2g | 0.2g |
ビタミンA | 90μg | 84μg |
ビタミンB1 | 0.04mg | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.26mg | 0.24mg |
ビタミンC | 0mg | 0mg |
ビタミンB6 | 0.05mg | 0.04mg |
ビタミンB12 | 0.5μg | 0.5μg |
ビタミンD | 1.1μg | 1.1μg |
ビタミンE | 0.6mg | 0.6mg |
ビオチン | 15.2μg | 15.0μg |
ナトリウム | 84mg | 78mg |
カリウム | 78mg | 78mg |
カルシウム | 31mg | 31mg |
マグネシウム | 7mg | 7mg |
リン | 110mg | 110mg |
鉄 | 1.1mg | 1.1mg |
※出典:日本食品標準成分表、生鶏卵とゆで鶏卵の比較
卵はビタミンCを除き、多くの重要なビタミンとミネラルをバランス良く含んでおり、タンパク質や脂質など体に必要な栄養素を簡単に摂取できます。
生卵とゆで卵に含まれる栄養素はほぼ同等です。ビタミンAやビタミンB2がゆで卵でわずかに少ないのは、これらが加熱によって若干減少するためですが、その差は微小であり、特に心配する必要はありません。
食べ方による卵の栄養素の吸収の違い
生卵とゆで卵では、摂取した際の栄養素の体への吸収に違いがあります。
生で摂取することで、熱に敏感なビタミンB群やビタミンAを無損失で摂ることができます。このため、ゆで卵に比べてビタミンの吸収効率が僅かに向上する可能性があります。
一方で、茹でた卵を食べると、ビオチンの吸収が促進されます。これは、生卵に含まれるアビジンという成分がビオチンの吸収を妨げる性質を持っているためですが、アビジンは熱に弱いので、卵を茹でることでこの問題が解消され、ビオチンがより効率良く吸収されるようになります。
ビオチンは健康な髪や肌に必要不可欠な栄養素であるため、美容を意識する方にはゆで卵が推奨されます。
加えて、栄養素の吸収に最適なのは、温泉卵のような半熟状態です。これは胃への負担が少なく、栄養素を丸ごと吸収しやすくなるためです。温泉卵の調理は少し手間がかかるかもしれませんが、栄養価と美味しさを追求するならば試みる価値があります。
生卵とゆで卵、どう見分ける?
卵を回転させてみる
ゆで卵は割れない限り、冷蔵保存で約3日間は鮮度を保つことができます。殻のままなら2日、殻を剥いてしまった場合は1日が目安です。ゆで卵は殻付きで保存するのがベストですが、生卵と間違えやすいですよね。混同してしまった場合、卵を軽く回してみる方法が役立ちます。
生卵は内部が液体であるため、回転がスムーズにいかずすぐに止まってしまいます。一方、ゆで卵は内部が固まっているので、一度回転を始めるとしばらく続けて回ります。
ただし、回転中に卵を落とさないよう注意しましょう。誤って生卵を割ってしまわないように、慎重に扱う必要があります。
卵を光にかざしてみる
回転させる方法が心配な場合は、卵を光源にかざしてみる方法もあります。スマートフォンのライトや懐中電灯を使って、卵の内部を透過させてみましょう。
- 殻越しに中身が透けて見える場合は「生卵」
- 中身が透けず、不透明な場合は「ゆで卵」
この違いは、生卵の中身が液体であり、ゆで卵の中身が固体であるために生じます。
卵の殻をチェックする
直接卵に触れずに判断する必要がある場合は、卵の殻の状態を観察すると良いでしょう。
もし殻に微細な汚れが見られる場合、それは生卵の可能性が高いです。ゆで卵は調理過程で一度お湯に通されるため、殻が綺麗になっています。ただし、茹でた後に不適切な扱いをされたゆで卵は、再度汚れることもありますので注意が必要です。
これらのポイントを押さえることで、生卵とゆで卵の見分け方に迷うことがなくなります。
まとめ:卵を活用した栄養と好みに応じた食べ方
卵はその汎用性と美味しさで、毎日の食事において重要な役割を果たします。特に注目すべき点は、生でも茹でても、栄養価に大きな差がないということです。
具体的には、
- ビタミンを豊富に摂取したい場合は、「生卵」が適しています。
- 髪や肌の健康を重視するならば、「ゆで卵」を選びましょう。
- 消化の良さを優先する場合は、「温泉卵」が最適です。
生卵、ゆで卵、温泉卵、それぞれに特性があり、日々の健康維持に役立てることができます。健康的な食生活の一環として、卵を上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。