仕事のメールや社内文書でよく見かける「下記の通り~」「以下の理由で~」といった表現。どちらもよく使われますが、何となくで使い分けていませんか?
実は「下記」と「以下」にはきちんとした意味の違いがあり、文章の構造や使う場面によって、使い分けるべきルールがあるのです。
この記事では、「下記」と「以下」の使い方の違いをわかりやすく解説しながら、ビジネス文書で失敗しないためのポイントをお伝えします。
「下記の通り」と「以下の通り」の違いとは?
「下記の通り」と「以下の通り」は、どちらも「これから示す情報」に読者の注意を向けるための表現です。ただし、使い方には明確な違いがあります。
「下記の通り」は“記書き”とセットで使う表現
「下記の通り」は、本文のあとに改行を入れ、「記」から始まる形式的な構成で情報を提示する場合に用いられます。たとえば、案内文や通知文などで見かける次のような書き方です。
「下記」はこのように、文章の“下の記述”にある形式的な情報を指します。
「以下の通り」は文章内にそのまま続ける形
一方、「以下の通り」は、「この文のすぐあとに情報が続きますよ」というサインです。改まった区切りやレイアウトは必要なく、そのまま文中で自然に続ける使い方になります。
例:
「今回の対応方針は以下の通りです。まず第一に…」
このように、あくまで文の流れの中で使える表現が「以下の通り」です。
ビジネス文書における「記」のルールと注意点
「下記の通り」を使う際は、一般的な“記書き”スタイルに従う必要があります。以下はその基本ルールです。
記書きの構成テンプレート
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前文
目的や背景などを簡潔に書き、本文を締める -
改行後に「記」
中央揃えで「記」と記載 -
具体的な情報を箇条書きで記述
日時・場所・連絡先など -
末尾に「以上」
右寄せで終わりを明示
この構成を守ることで、文書の見た目が整い、読み手にとっても内容が分かりやすくなります。
「以上」の使い方にも注意を
「記」の最後には通常「以上」をつけて終了しますが、近年では柔らかい表現として
「よろしくお願いいたします」や「ご確認ください」などに変えるケースも増えています。ただし、公式な文書や対外的な案内では「以上」が無難です。
また、記書きの情報が複数ページにまたがるのは避けるべきとされており、長い内容になりそうな場合は「以下の通り」や「次の通り」などで文中に収める方が適しています。
まとめ
「下記」と「以下」は似ているようで、使う文脈や文書の構成によってしっかりと使い分ける必要があります。
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「下記」= 記書き構成のときに使う。記 → 箇条書き → 以上
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「以下」= 文中で自然に内容が続くときに使う
記書きは特に、案内・通知・報告といった文書で多く使われます。情報を明確に整理できる反面、「以上」で必ず締める、ページをまたがないようにするなど、守るべきルールも存在します。
大切なのは、相手に伝わりやすく、誤解のない文書を書くこと。
今回ご紹介した使い分けルールを押さえておけば、ビジネス文書の信頼度もグッと上がるはずです。