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「又は」と「または」は違うの?この言葉の適切な使用法を深堀り解説

言葉

「又は」と「または」は、どちらも使われますが、一般的には「または」のほうがよく目にしますね。漢字の「又は」があまり使われない理由、気になりますよね。

どのような場合にどちらを使うべきか、その基準はあるのでしょうか。

そこで、この記事では「又は」と「または」の意味の違いや、それぞれの使い分けについて詳しくご紹介します。

 

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「又は」と「または」の意味の違いと使い分けについて

まず、「又は」と「または」はどちらも複数の選択肢の中から一つを指し示す接続詞です。これらの表現は似ていますが、その使用には少し違いがあります。

普段は「または」が仮名で書かれることが多く、漢字の「又は」はあまり使われません。特に、公式文書や法的な文脈では「又は」を漢字で使用することが一般的です。

こうした使い分けの背景には、歴史的な理由があります。

なぜ「または」が仮名で書かれるのか?

一般的に、接続詞を含む多くの言葉は仮名で書くことが推奨されています。これは、昭和21年(1946年)に定められた「当用漢字表」の使用上の注意事項に基づいています。その中で、「代名詞・副詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞は、なるべくかな書きにする」とされています。

この規則は、後に「常用漢字表」に移行しましたが、「当用漢字表」が廃止されたため、現在は厳密には守る必要はないものの、多くの文献や文書ではこの慣習が引き続き守られています。そのため、日常的な書き言葉では「または」を仮名で書くことが一般的です。

接続詞の仮名表記は、読みやすさを重視して定められたものとも言えます。たとえば、「或いは」を「あるいは」、「尚」を「なお」、「従って」を「したがって」と書くのも、同様の理由からです。

これらの表記法は、使い方が身についてしまったために、現在でも多くの場面で採用されています。このように、過去の規則が今日の言葉の使い方に影響を与える例です。

公用文における「又は」の漢字表記の必要性

一般的な文書では「または」と仮名で書くことが推奨されていますが、公用文では状況が異なります。公用文においては、漢字表記の「又は」を使用することが求められます。

公用文とは、官公庁が作成する文書のことを指し、この文書形式には特定の規範が設けられています。民間企業や個人が作成する文書にはこの規則は適用されません。

この基準は、平成22年(2010年)に更新された「公用文における漢字使用等について」の内閣訓令第1号で明確にされています。この訓令では、接続詞の中で「及び」「並びに」「又は」「若しくは」の四語は、原則として漢字で書くべきとされています。

この規則の起源は昭和56年にさかのぼりますが、平成22年にその内容が部分的に修正されました。しかし、接続詞の漢字表記に関する基本的な取り扱いは、昭和56年から変わっていません。

このような規定は、公用文の一貫性と正確性を保つために重要です。接続詞の表記を漢字に統一することで、公式な文書の格式と権威を保持しています。

「又は」と「または」の意味と使い方のまとめ

「又は」と「または」はどちらも接続詞として使用され、二つ以上の選択肢の中から一つを選ぶ際に利用します。

一般的には「または」の仮名表記が推奨されていますが、特定のガイドラインや社内ルールに従う場合があります。それによって漢字表記の「又は」を使用することもあり得ます。

特に公用文においては、漢字の「又は」の使用が必須です。これは、公式文書の正確性と一貫性を確保するための規定によるものです。

このように、使用状況に応じて「又は」と「または」の適切な形式を選ぶことが重要です。日常的な書き言葉では「または」を仮名で、公用文では「又は」を漢字で用いることが基本となります。この違いを理解し、文脈に合わせて適切に使い分けることが求められます。

 

「又は」と「または」の意味と活用法:辞書による解説

「または(又は)」は日常的に使用される接続詞で、二つの選択肢の間で選ぶ際に使われます。ここでは、辞書における定義と具体的な使い方を例文と共にご紹介します。

辞書での「または(又は)」の定義

【または(又は)】 ・(接)それでなければ、あるいは。「父―母が出席します」

引用元:旺文社国語辞典

この定義によると、「または(又は)」は、AまたはBのどちらか一方を指し示す際に用いられる接続詞です。

「または(又は)」の使用例

  • イタリアン、またはフレンチ、どちらにしましょうか?
  • 必ず油性ボールペン、または油性サインペンを使用してください。
  • 熱いうどん、または冷たいうどんでも大丈夫ですよ。
  • パン、またはご飯から選ぶことができます。
  • バス、またはタクシーで来てください。

これらの例文から分かるように、「または(又は)」は日常会話から公式な文書まで、様々なシチュエーションで柔軟に使用できる便利な接続詞です。選択肢を提示する際にこの表現を使うことで、クリアかつ選択肢が明確に提示されます。

 

使い方が紛らわしい日本語の接続詞

日本語には、類似した意味を持つが文脈によって使い分けが必要な接続詞がいくつか存在します。ここでは、「又は」や「または」以外で使い分けが難しい接続詞を4つ選んで解説します。

  1. 「でも」「しかし」
    • 「でも」は、前述した内容に対する例外や追加情報を柔軟に示すために使われます。「今日は寒いです。でも、散歩に行きます。」
    • 「しかし」は、前述した内容と矛盾する反論や対立する情報を強調して使います。「今日は寒いです。しかし、散歩に行きます。」ここでは、前提としての天候の悪さにもかかわらず散歩に行くという意思の強さが強調されています。
  2. 「なぜなら」「だから」
    • 「なぜなら」は理由を導入する時に使い、その後に理由が続きます。「彼は遅刻しました。なぜなら、電車が遅れたからです。」
    • 「だから」は、既に述べた事実から結論や帰結を導くために使われます。「電車が遅れた。だから、彼は遅刻しました。」
  3. 「一方で」「その一方で」
    • 「一方で」は、二つの対照的な事柄を並列して示す際に用いられます。「彼は数学が得意です。一方で、国語は苦手です。」
    • 「その一方で」も同様に使われることが多いですが、より文脈に繋がりを持たせたい場合に使います。「彼は学業で成功しています。その一方で、スポーツも得意です。」
  4. 「さらに」「その上」
    • 「さらに」は、追加情報や上乗せする情報を示すために使用されます。「彼は英語が流暢です。さらに、スペイン語も話せます。」
    • 「その上」は、既に述べた内容に加えて、さらに重要な情報を追加する場合に使います。「彼は優秀な学生です。その上、ボランティア活動にも積極的です。」

これらの接続詞は日常会話や書き言葉の中で頻繁に使用されますが、適切に使い分けることで文章の意図をより明確に伝えることができます。

 

まとめ

この記事では、「又は」と「または」の使い分けについて詳しく解説しました。これらの接続詞は、二つ以上の選択肢の中から一つを選ぶ際に使用されることが共通していますが、その使い方にはいくつかの注意点があります。

一般的な文脈では「または」を仮名で書くことが推奨されており、これは日本語の読みやすさと親しみやすさを重視するためです。一方で、公用文では「又は」を漢字で使用することが求められ、これは公式の文書に一貫性と正式さを持たせるためです。

また、私的な文書や一般のビジネス文書では、企業や団体の内部規定に従うことが重要です。これにより、文書の形式が統一され、プロフェッショナルな印象を与えることができます。

「又は」と「または」の正しい理解と使い分けをマスターすることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。日常会話から公式文書まで、適切な接続詞の選択が求められるシーンでこの知識が役立つでしょう。

 

普段使いでは「または」でOKですね。

こちらはどうでしょう?

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