言ってるだけじゃダメ?「やる気」と「本気」は別モノ?
「やる気はあるんだけど、なかなか始められない」
「彼って、本気で取り組んでるよね」
――どちらも前向きな言葉ですが、実はこの2つには大きな違いがあります。
一方は“気持ちの宣言”、もう一方は“行動で示す覚悟”。
似ているようでいて、まったく違う評価を生むこともあります。
「やる気がある」と言っている人がなぜ信頼されにくいのか。
「本気でやってる人」がなぜ応援されるのか。
この記事では、「やる気がある」と「本気でやってる」の違いを、
言葉の意味、行動の有無、他人からの見え方という視点から解説していきます。
「やる気がある」とは?|前向きな気持ちの表明にすぎない
「やる気がある」とは、文字通り“やろうという気持ちがある”こと。
意欲的な姿勢ではありますが、実際に動いているかどうかは含まれていません。
これは、言い換えれば「まだ始めていない」「まだ結果が出ていない」状態でも使える言葉です。
そのため、口に出すだけでは「本当にやる気あるのかな?」と疑われることもあります。
こんな使われ方が多い:
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「やる気はあるんだけど、今日はちょっと…」
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「部下は“やる気はある”と言ってるけど、進捗が見えない」
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「彼、やる気だけはあるんだけどなあ」
このように、“やる気がある”は決してネガティブな言葉ではありませんが、
実行が伴わないと、口だけに聞こえてしまうというリスクを持っています。
また、「やる気がある」という言葉を使うことで、
自分なりの努力はしているつもりでも、相手には伝わっていないというギャップが生まれがちです。
「本気でやってる」とは?|行動と覚悟をともなう言葉
一方、「本気でやってる」はすでに動いていて、周囲にも伝わるレベルの姿勢や熱量がある状態を指します。
「本気」は単なるやる気の延長ではなく、
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明確な目標
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覚悟をもった取り組み
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途中で諦めずにやり抜く姿勢
などが含まれている、より具体的で、行動ベースの表現です。
使用例:
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「あの人、本気で資格取得に挑戦してるよね」
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「SNSやってるだけじゃなくて、本気で発信力を高めようとしてる」
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「最初は様子見だったけど、今は完全に本気モードに入ってる」
「本気でやってる」と評価される人には、
多少の失敗や遠回りがあっても信頼が積み重なっていく傾向があります。
また、自分から「本気でやってます」と宣言しなくても、
周囲が見て「この人は本気だ」と感じることが多いのも特徴です。
比較してわかる「やる気がある」と「本気でやってる」の違い
ここまでで見えてきたように、「やる気がある」と「本気でやってる」は似ているようでいて、
内面の状態と、外に見える行動という明確な違いがあります。
以下の表で整理してみましょう。
比較項目 | やる気がある | 本気でやってる |
---|---|---|
意味 | 意欲・やる気の存在を示す | 行動・姿勢・結果を伴う取り組み |
状態 | 内面的(気持ち) | 外に見える(行動) |
周囲の評価 | 信用しづらい場合もある | 応援・信頼されやすい |
行動との関係 | 伴わなくても言える | 必ず行動がともなっている |
説得力 | 言葉だけでは弱い | 実績や姿勢に裏付けがある |
→ まとめると、「やる気」は気持ちのスタート地点、「本気」はすでにスタートして走っている状態、と言えるでしょう。
周囲からの印象が変わるポイントは“行動”
人は他人の「気持ち」を見ることはできません。
だからこそ、「やる気がある」と言われても、実際に行動している姿がなければ信じにくいのです。
一方、「本気でやってる」人は、その行動量や集中力、継続力などから、
言葉にしなくても“本気さ”が伝わってくるものです。
たとえば…
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「やる気はある」と言いつつ、数日間なにも進んでいない人
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「本気でやってる」とは言わないが、毎日一歩ずつ前に進んでいる人
この2人を比べたとき、多くの人は後者に信頼と期待を寄せるのではないでしょうか。
つまり、「本気」は結果そのものではなく、行動と継続によって伝わる信頼でもあるのです。
まとめ
「やる気がある」と「本気でやってる」は、どちらも前向きな言葉です。
しかし、その違いは明確で、
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「やる気がある」は意欲の存在を示す言葉
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「本気でやってる」は行動と姿勢で証明する言葉
口で「やる気がある」と言うのは簡単ですが、
本当に周囲の信頼や共感を得たいなら、
「本気でやってる」と思わせる行動が必要です。
何かを始めようと思ったとき、
「やる気はある」で止まってしまうのか、
「本気でやってる」と言えるところまで進むのか――
その違いが、結果と評価に大きな差を生むのかもしれません。