「おおざと」と「こざとへん」、どちらも漢字の部首の一部です。
例えば「都」の右の部分と「阪」左の部分のことです。
「阝」
驚くことに、これら二つの部首は形が非常に似ていて、一見すると区別がつかないほどです。
そこで、この記事では「おおざと」と「こざとへん」の違いと、それらを効果的に覚える方法を詳しく説明していきます。
「おおざと」と「こざとへん」の違い
「おおざと」と「こざとへん」は、どちらも漢字の部首に関連する構成要素ですが、その配置と用途に違いがあります。
「おおざと」は漢字の右側に位置する「阝」を含む要素で、主に「都」「郡」「部」「郷」などの漢字に見られます。このため、この位置にある「阝」は「つくり」として扱われ、「おおざとへん」という表現は誤りで、「おおざと」が正しい呼称です。
一方、「こざとへん」は「隣」「隈」「阪」「陵」など、漢字の左側に「阝」が配置されています。左側に配置されるため、「へん」の位置にあると認識され、「こざとへん」という呼び方が適切です。
このように、「おおざと」と「こざとへん」は配置の違いにより名称が異なります。次に、これらの違いをもう少し掘り下げて解説していきます。
「おおざと」の由来
「おおざと」は、漢字の右側に位置する「阝」に由来します。この配置から「へん」ではなく「つくり」であり、正式な名称は「おおざと」です。語源は「大きい」を意味する「大」と「里」を意味する「さと」が組み合わさった「大里（おおざと）」から来ているとされています。
また、「おおざと」の形の原型は「邑」で、この字は省略されて現在の「阝」になりました。元々の「邑」は「国」「都」「村」「里」など、人々が住む場所を示す意味を持っており、「おおざと」も同様に「人々が集まり生活する場所」を表します。この意味は、「群れる」を意味する「むれ」と関連しているとも言われています。
この「おおざと」が用いられる例として、「都」（みやこ）、「郡」（くにの一部を表す）、「部」（部落や地域の部分を示す）、「郷」（故郷や地域社会を意味する）などがあります。これらの漢字は、どれも「人々が集まって暮らす所」という共通のテーマに基づいています。
「こざとへん」の由来
「こざとへん」は、漢字の左側に位置する「阝」に由来します。この位置にあるため、「へん」（偏）と呼ばれる部首として扱われます。このため、「こざとへん」が正式な名称とされています。「小さい」と「里」を意味する「さと」が組み合わさって「小里（こざと）」という語から名付けられたとされます。
「こざとへん」の原型は「阜」という字で、「阜」は省略されて現在の「阝」の形になりました。もともと「阜」は「おか」や「つちやま」「台地」といった意味を持ち、比較的狭い地形を指しています。したがって、「こざとへん」も、より小規模な地域や特定の土地を意味する部首として機能しています。
「おおざと」と「こざとへん」の由来に直接的な関連は明らかではありませんが、広い範囲を示す「おおざと」と対比して、狭い範囲を示す「こざとへん」が用いられるという仮説が考えられます。
「こざとへん」が使用される漢字には「隣」「隈」「阪」「陵」などがあります。例えば、「隣」は隣接する地域や家を指し、「隈」は特定の地域や隅を意味します。「阪」は斜面や坂を示し、「陵」は高地や丘を表します。これらの漢字はすべて、特定の地形や地域を指す用途で使用されることが多いです。
「おおざと」と「こざとへん」の覚え方
続いては、「おおざと」と「こざとへん」を識別するための簡単な覚え方を紹介します。
「おおざと」と「こざとへん」の基本的な覚え方
漢字を見たときに「おおざと」と「こざとへん」を区別するには、その配置を基準にします。「へん」とは漢字の左側に位置する部首を指しますので、これを判断の基準にしましょう。
「おおざと」は「へん」ではなく、「つくり」として漢字の右側に位置します。したがって、漢字の右側に「阝」があればそれは「おおざと」です。
逆に、漢字の左側に「阝」があれば「こざとへん」と覚えることができます。このように位置に注目することで、簡単に識別が可能です。
「おおざと」のユニークな覚え方
「おおざと」を覚えるためのユニークな方法として、エルヴィス・プレスリーの曲「That’s All Right」を利用する方法があります。「That’s All Right」を略して「ザッツオーライト」と発音します。「That’s」の「ザット」を取り、「All」の「オー」を前にして「オーザット」とします。さらに、「Right」は英語で右を意味しますので、「オーザト」＝右に位置すると覚えましょう。
「こざとへん」の覚え方
「こざとへん」については、「おおざと」の覚え方の逆を利用します。「おおざと」が「That’s All Right」であることを覚えたなら、「こざとへん」はその逆、つまり左側に位置すると覚えると良いでしょう。この対比を利用することで、混同を避けやすくなります。
これらの方法を利用すれば、漢字の部首「おおざと」と「こざとへん」を効率的に覚えることができるでしょう。
まとめ
これで「おおざと」と「こざとへん」の違いと覚え方を解説しました。要点を簡単に振り返ると、以下の通りです。
- 「おおざと」と「こざとへん」の主な違いは、位置にあります。「おおざと」は漢字の右側に、「こざとへん」は左側に位置します。
- 「おおざと」は「へん」としてではなく「つくり」として扱われるため、「へん」は付きません。一方で、「こざとへん」は部首としての「へん」が付くため、左側に位置すると覚えるのが適切です。
- 覚え方のコツとして、「おおざと」はエルヴィス・プレスリーの曲「That’s All Right」を使ったユニークな方法があります。この曲名を文字を組み替えることで、「オーザト」は漢字の右側に位置すると関連付けることができます。
これらの情報が、部首の理解と記憶に役立つことを願っています。
