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「繰り上げる」と「繰り下げる」:数字・時間・順番で変わる“方向の日本語”

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「繰り上げる」と「繰り下げる」の違いとは? 時間・数値・順位…状況別の使い分けをわかりやすく解説 言葉

「会議を30分繰り上げる」「締切を1日繰り下げる」。
そんな表現を聞いたとき、
“どっちが早くなって、どっちが遅くなるんだっけ…?”
と迷った経験はありませんか?

実はこの二つの言葉、
時間・数値・順番…など、対象によって意味の方向が変わるため、
混乱しやすい日本語の代表例です。

今回は「繰り上げる」と「繰り下げる」の違いを、
「時間」「順位」「支払い」「予定」などの場面ごとに深掘りしていきます。

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  1. 「繰り上げる」:基準より“前へ・上へ”動かすこと
    1.  時間の例(具体的な時刻)
      1. 例:会議を10分繰り上げる
      2. 例:授業を30分繰り上げる
    2.  順番の例(具体的な番号)
      1. 例:発表の順番を繰り上げる
      2. 例:診察の順番を繰り上げる
    3.  数値の例
      1. 例:8.4 を四捨五入して 10 に繰り上げる
      2. 例:予定販売数 93 個 → 100 個に繰り上げて見積もる
    4.  支払い・締切の例(具体的な日付)
      1. 例:振込日を 3日繰り上げる
      2. 例:締切を 1日繰り上げる
    5. ✔ まとめると
  2. 「繰り下げる」:基準より“後へ・下へ”動かすこと
    1.  時間の例(具体的な時刻)
      1. 例:会議を30分繰り下げる
      2. 例:開始時刻を1時間繰り下げる
    2.  順番の例(具体的な番号)
      1. 例:発表の順番を繰り下げる
      2. 例:面接順を繰り下げる
    3.  数値の例(具体的な数字)
      1. 例:見込み売上 15万円 → 1万円繰り下げて 14万円に
      2. 例:12.8 を「繰り下げ」処理して 12 にする
    4.  支払い・締切の例(具体的な日付)
      1. 例:支払いを翌月へ繰り下げる
      2. 例:締切を 2日繰り下げる
    5. ✔ まとめると
      1. 方向のイメージ
  3. 実は“上・下”よりも「基準からどう動くか」が重要
    1. 「 繰り上げる」
    2. 「 繰り下げる」
  4. もっと身近な例で比較してみました
  5. 「繰り上げ/繰り下げ」以外にもある似た表現
    1.  早める/遅らせる
    2.  前倒し/後ろ倒し
    3.  アップ/ダウン
  6. まとめ:基準より“どちらへ動くか”で考えると迷わない

「繰り上げる」:基準より“前へ・上へ”動かすこと

「繰り上げる」は、
予定・数値・順番を今より前(または上)に動かすことです。

 時間の例(具体的な時刻)

例:会議を10分繰り上げる

  • 元の開始時刻:10時00分

  • 10分前倒し → 9時50分開始になる

例:授業を30分繰り上げる

  • 元の開始時刻:13時00分

  • 30分早める → 12時30分開始

 順番の例(具体的な番号)

例:発表の順番を繰り上げる

  • 当初の順番:5番目

  • 1つ早める → 4番目になる

例:診察の順番を繰り上げる

  • 当初:10番目

  • 2つ繰り上げ → 8番目に呼ばれる

 数値の例

例:8.4 を四捨五入して 10 に繰り上げる

  • 9 ではなく、10 に上げる
    (※「切り上げ」のイメージに近い)

例:予定販売数 93 個 → 100 個に繰り上げて見積もる

  • 数値を大きくする方向へ動かす

 支払い・締切の例(具体的な日付)

例:振込日を 3日繰り上げる

  • 元の予定日:5月10日

  • 3日前倒し → 5月7日 に支払う

例:締切を 1日繰り上げる

  • 元の締切:12月15日

  • 前倒し → 12月14日 に提出

✔ まとめると

繰り上げる=前へ・上へ(早く/多く/順位を上へ)

「繰り下げる」:基準より“後へ・下へ”動かすこと

「繰り下げる」は、
予定・数値・順番を今より後(または下)に動かすことです。

 時間の例(具体的な時刻)

例:会議を30分繰り下げる

  • 元の開始時刻:14時00分

  • 30分遅らせる → 14時30分開始

例:開始時刻を1時間繰り下げる

  • 元:9時00分

  • 10時00分 に変更

 順番の例(具体的な番号)

例:発表の順番を繰り下げる

  • 元の予定:3番目

  • 2つ繰り下げ → 5番目

例:面接順を繰り下げる

  • 元:1番目

  • 3番目に変更(後回し)

 数値の例(具体的な数字)

例:見込み売上 15万円 → 1万円繰り下げて 14万円に

  • 数値を低めに見積もる方向

例:12.8 を「繰り下げ」処理して 12 にする

  • 数字を少なくする

 支払い・締切の例(具体的な日付)

例:支払いを翌月へ繰り下げる

  • 元の支払日:6月25日

  • 繰り下げ → 7月25日 に延期

例:締切を 2日繰り下げる

  • 元の締切:3月10日

  • 3月12日 に変更(後ろ倒し)

✔ まとめると

繰り下げる=後へ・下へ(遅く/少なく/順位を下へ)

方向のイメージ

用途 繰り上げる 繰り下げる
時間 早くする(前倒し) 遅くする(後ろ倒し)
順番 前へ移動 後ろへ移動
数値 上へ(多く) 下へ(少なく)
支払い 早める 遅らせる

実は“上・下”よりも「基準からどう動くか」が重要

迷いやすいのは、
「上」と「下」という漢字だけに引っ張られるから。

しかし、日本語の動きはこうです👇

「 繰り上げる」

基準より前へ(時間)
基準より上へ(順位・数値)

「 繰り下げる」

基準より後へ(時間)
基準より下へ(順位・数値)

つまり、上・下は比喩であり、
大事なのは“今の基準よりどちらに動かすか”。

もっと身近な例で比較してみました

シーン 繰り上げる 繰り下げる
時間 早くする 遅くする
発表順 早める 遅らせる
年金支給 受給開始を早める 受給開始を遅らせる
確定申告 提出を前倒し 提出を後ろ倒し
小数点 数字を上に丸める 数字を下に丸める
セール開始 前倒しで実施 後ろにずらして開始

 

「繰り上げ/繰り下げ」以外にもある似た表現

 早める/遅らせる

→ もっと直感的で誤解が少ない。ビジネスでもよく使われる。

 前倒し/後ろ倒し

→ スケジュール変更ではこちらの方が正確。

 アップ/ダウン

→ 外来語で感覚的に掴みやすい(例:年齢引き上げ/引き下げ)

「繰り◯げる」は少し硬い表現なので、
人によっては誤解が生じないように
「早めます」「後ろにずらします」など補足することもあります。

まとめ:基準より“どちらへ動くか”で考えると迷わない

  • 繰り上げる=前/上へ移動

  • 繰り下げる=後/下へ移動

時間でも数字でも、
“基準となるポイントを決めて、そこからどう動かすか”を意識すると
迷わずに使い分けることができます。

日本語は比喩的に上下を使うため、
意味が混乱しやすい表現ですが、
一度整理すれば実はとてもシンプルです。

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