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「共に」と「一緒に」の意味の違い:意外と知られていない使い分け

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言葉

「共に」と「一緒に」は一見同じ意味に思えるかもしれません。

例えば、「二人で共に出張する」と言う場合もあれば、「二人で一緒に出張する」とも言います。これらは表面的には同じ意味に感じられます。

しかし、「あなたの意見と私の意見が一緒になった」という時には使えても、「あなたの意見と私の意見が共になった」とは通常言わないことから、これらの言葉には微妙な意味の違いがあることがわかります。

この記事では、それぞれの言葉が持つ独特のニュアンスとその使い方を、例を交えて詳しく解説していきます。確かに、「共に」と「一緒に」の間には、明確な違いが存在します。

 

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「共に」と「一緒に」の基本的な違い

まず、基本的な意味の違いから始めましょう。

「共に」という言葉は、複数の人や物が一緒に同じ行動をとること、あるいは同時に何かを行うという意味があります。

「一緒に」という言葉も、複数の人や物が一緒に同じ行動をすることを意味しますが、これには一体感や統一感を表すニュアンスが加わります。

つまり、「一緒に」には、集団や物事がひとまとめになる、または同一であることという追加の意味合いがあるのです。

これを踏まえて、それぞれの言葉の使用例とその文脈について詳しく見ていきましょう。

「共に」と「一緒に」の共通点

「共に」と「一緒に」の表現には、共通する意味が二つ存在します。これには「複数で同じ行動をすること」と「同時に行うこと」という意味が含まれます。

「複数で同じ行動をすること」

まず、「複数で同じ行動をすること」について説明しましょう。この表現は「そろって」という言葉で置き換えることができます。例えば、会社の主任と係長が二人で九州に出張する場合、この状況は「主任と係長が共に九州へ出張する」と表現することができます。これは「主任と係長が一緒に九州へ出張する」と言い換えることも可能であり、どちらの表現も同じ状況を指します。

「同時に行うこと」

次に、「同時に」という意味についてです。例えば、埼玉県と栃木県での甲子園地方予選が同時に開幕する場合、「埼玉県と栃木県の甲子園予選が本日共に開幕した」と表現することができます。これは「埼玉県と栃木県の甲子園予選が本日一緒に開幕した」と言い換えることもできます。この二つの言葉は、この文脈での同時性を表すのに適しており、どちらを使っても違和感はありませんね。

「一緒に」の特有の二つの意味とその使い方

前項で「共に」の意味について触れましたが、「一緒に」にはそれに加えて特有の意味が二つあります。これには「ひとまとめにすること」と「同じであること」というニュアンスが含まれます。

「ひとまとめにすること」

最初に、「ひとまとめにすること」とは、物理的にも感情的にも要素を一つに統合することを指します。例えば、「二人の荷物を一つのカバンに一緒に入れる」という使い方がこれに該当します。これは、実際に二人の荷物を一つにまとめる行為を表しています。

「同じであること」

次に、「同じであること」という意味です。これは、例えば「二人の意見が一緒になった」という形で使われることがあります。この場合、二人の意見が合致し、まるで一つの意見のように同じになる状況を表しています。

これらの意味は、「一緒に」ならではのものであり、「共に」とは異なります。「共に」を用いて「二人の意見が共になった」と表現すると不自然になります。さらに、「二人の荷物を一つのカバンに共に入れる」と言っても、ここでの「共に」は行動の同時性を示すだけで、物をひとまとめにする意味は含まれません。この文脈で「共に」を使うと、「同時に」すなわち「そろって」と解釈されるため、「まとめる」という意味では適切ではありません。

「共に」と「一緒に」の違いの整理

ここで「共に」と「一緒に」の違いを整理しましょう。

「共に」と「一緒に」には共通の意味があります。これには複数の人や物が伴って同じ行動をすること、また同時に何かを行うことが含まれます。

しかし、「一緒に」はそれに加えて独自の意味を持っています。「ひとまとめにすること」と「同じであること」です。この二つの意味は、「一緒に」特有のものであり、「共に」では表現されません。「共に」と言った場合、物事を「まとめる」や「同じ」にするニュアンスは含まれず、主に行動の同時性や共同性を強調する場合に使用されます。

このように、「共に」と「一緒に」は一見似ているようで、使い方によって異なるニュアンスを持ちます。

 

「共に」と「一緒に」の辞書における定義

次に、「共に」と「一緒に」の辞書での意味を詳しく見ていきましょう。

「共に」の辞書での意味

【共に】

  1. そろって。いっしょに。「―学ぶ」
  2. 同時に。「うれしいと―に寂しい」

引用元:旺文社国語辞典

こちらの定義からも明らかなように、「共に」は主に同時に行われる活動や感情の共有を指す言葉として用いられます。この意味は先に説明した通りです。

「一緒に」の辞書での意味

【一緒】

  1. ひとまとめにすること。「全部―に入れる」
  2. 同じであること。同一。「ぼくの意見も君と―だ」
  3. ともに同じ行動をすること。「―に出かける」
  4. 同時。「盆と正月が―に来たような忙しさ」

引用元:旺文社国語辞典

「一緒に」の意味はより広範にわたり、物理的なまとめる行為から感情や意見の一致、共同の行動までをカバーしています。これにより「一緒に」がどれほど多様な文脈で使われるかがわかります。

以上が辞書における「共に」と「一緒に」の具体的な意味とその違いです。

 

「共に」と「一緒に」の実用例

ここでは、「共に」と「一緒に」の具体的な使い方を例文を通じて紹介します。

「共に」の使用例

  • 「自転車事故ランキングで、中高生共に群馬県がワースト1だった。」(そろって)
  • 「感染拡大の恐怖で4月後半は心身共にギリギリの状態にあった。」(そろって)
  • 「ゆうパケットで2件とも同日に共にコンビニから発送しました。」(同時)
  • 「新技術を用いて、複数の衛星を同時に共に打ち上げる能力が加わった。」(同時)

「一緒に」の使用例

  • 「お子様と一緒に通学路を歩いて点検してください。」(そろって)
  • 「非常ブレーキを引いたとほぼ同時に、一緒に車内が停電しました。」(同時)
  • 「市民が不要なものを全て一緒に処分したことが回収量の増加に寄与しました。」(まとめる)
  • 「質問内容が先ほどの質問とほとんど一緒になりました。」(同じ)

これらの例文から、「共に」と「一緒に」の使い分けがより明確になり、各言葉がどのように異なる文脈で使用されるかが理解しやすくなるはずです。

 

まとめ

以上が「共に」と「一緒に」の意味の違いと適切な使い分けについての説明でした。

「共に」と「一緒に」は、複数の人や物が同じ行動をとることや、事象が同時に発生する場合に使用される点で共通しています。この意味では、どちらも「そろって」という言葉で表せます。

一方で、「一緒に」には物事や人々をひとまとめにする、あるいは意見や状態が同じになるという独自の意味があります。これは「共に」では表現されない特有のニュアンスです。

この解説が、「共に」と「一緒に」の使い分けを理解し、日常会話や文章で正確に使用する助けとなることを願っています。

 

共通点があるものの、「一緒に」が違いなんですね。

では、こちらはどうでしょう?

「同じ」と「一緒」の使い方の違いを具体的な例文で詳しく解説

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