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「控えめ」と「遠慮がち」は似ているようで、心の奥にある“ためらい”が違う

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「控えめ」と「遠慮がち」の違いとは?似ているようで心の向きが違う日本語表現 言葉

「控えめ」と「遠慮がち」。
どちらも“おとなしさ”や“謙虚さ”を感じさせる言葉ですが、
使い方や相手に伝わる印象には小さな違いがあります。

たとえば、
「控えめな性格」と言うと“落ち着いた印象”を与え、
「遠慮がちな性格」と言うと“気をつかっている様子”が思い浮かびます。

今回はこの二つの言葉の違いを、
態度の表れ方と心の内側という二つの角度から見ていきましょう。

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「控えめ」:落ち着いていて、出しゃばらない姿勢

「控えめ」は、「控える」という動詞から派生した言葉で、
“前に出すぎず、ほどよく抑える”という意味を持ちます。

例:彼女はいつも控えめな口調で話す。
例:控えめなデザインが上品だ。

このように使われるとき、「控えめ」は自分をコントロールしている姿勢を表します。
つまり、意識的にバランスを取っているということ。

  • 「自分をアピールしすぎない」

  • 「周りとの調和を意識している」

  • 「上品で落ち着いた印象を与える」

このように、「控えめ」はどちらかといえば肯定的・美徳的な言葉です。
社会的マナーや場の空気を大切にできる人を褒めるときにもよく使われます。

「遠慮がち」:気をつかって、ためらいを含んだ態度

一方、「遠慮がち」は「遠慮する」に“がち(=その傾向がある)”を加えた表現です。
つまり、“遠慮しがちな様子”=言いたいことを少し我慢している状態を表します。

例:彼はいつも遠慮がちに意見を言う。
例:遠慮がちに席を譲る彼女の姿が印象的だった。

「遠慮がち」は、心の中にためらいや控えの気持ちがある表現。
相手への気遣い、または“自分の主張を出すことへの不安”が背景にあります。

つまり、控えめが「自分で節度を保つ」のに対し、
遠慮がちは「相手に配慮して一歩引く」という他者意識の強い言葉です。

少し引っ込み思案な印象を与えることもありますが、
同時に「優しさ」「思いやり」を感じさせる言葉でもあります。

ニュアンスの違いを比べてみよう

表現 主な意味 心の状態 印象 評価の方向
控えめ 自分を抑えて節度を守る 穏やか・安定 上品・落ち着いた ポジティブ
遠慮がち 相手に配慮して一歩引く ためらい・気遣い おとなしい・慎重 中立〜ややネガティブ

たとえば、同じ場面でも——

「彼女は控えめな性格だね。」→ 落ち着きがあり好印象。
「彼女は遠慮がちな性格だね。」→ 少し気を使いすぎている印象。

このように、両者の違いは内向きの抑えか、外への気づかいか、にあります。

「控えめ」は“自分を見ている”言葉、
「遠慮がち」は“相手を見ている”言葉とも言えるでしょう。

日常での使い分けのコツ

  • 褒め言葉として使うなら → 「控えめ」
     → 「控えめな笑顔」「控えめな態度」「控えめな優しさ」など、上品で好印象。

  • 気遣いの様子を伝えるなら → 「遠慮がち」
     → 「遠慮がちに話す」「遠慮がちに断る」など、控えすぎる印象も含む。

また、「控えめ」は意識的な節度を感じさせるのに対し、
「遠慮がち」は感情的な躊躇やためらいを伴うのが特徴です。

「彼は控えめに自己紹介した。」(自分を抑えてバランスを取る)
「彼は遠慮がちに自己紹介した。」(緊張して控えめに話す)

同じ行動でも、選ぶ言葉で心理の深さが変わります。

まとめ:控えめは“節度”、遠慮がちは“ためらい”

「控えめ」と「遠慮がち」は、どちらも“出しゃばらない”という点では似ていますが、
その背後にある心の動きがまったく違います。

  • 「控えめ」=自分を抑えて、落ち着きを保つ姿勢。

  • 「遠慮がち」=相手に気をつかい、ためらいながら行動する様子。

言葉のトーンとしては、
「控えめ」は静かで安定
「遠慮がち」は優しくて少し弱気

相手を描写するとき、
どちらの“おとなしさ”なのかを見極めて言葉を選ぶと、
その人の印象がより正確に伝わります。

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