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「くらい」と「ぐらい」 「ころ」と「ごろ」の違いとは?どちらを使うべきか解説します

言葉

文章を書いている時や、話し言葉で普段は特に意識せずに使っている言葉の違いや表記が、ふと気になって筆を止めてしまうことがありますね。

たとえば、「くらい」と「ぐらい」の使い分けはどうでしょうか。

「どれくらい」「そのぐらい」という言い方、実はどちらも使っているのではないでしょうか?

また、「あの頃」「何時頃」の「頃」も「ころ」と「ごろ」を使いますよね。

今回はこの二つの言葉、「位」(「くらい」と「ぐらい」)と「頃」(「ころ」と「ごろ」)に焦点を当てて、その使い方の違いについて探ってみます。

 

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「くらい」と「ぐらい」の使い分け方: どちらが正しいのか?

「くらい」と「ぐらい」は、どちらも名詞「位」が変化した副詞です。現在、どちらの表現を使用しても問題なく、特に厳密な区別は必要ありません。自分が自然だと感じる方を選んで使えば良いでしょう。

そこで、興味のある方のために、江戸時代からの使い分けの例を紹介します。

① 名詞に続く場合は濁音を用いる(「ぐらい」)

例1)君ぐらいだよ、そんなことをするのは。

例2)五時ぐらいに待ち合わせよう。 例3)服ぐらい自分で買いなさい。

② 「これ」「それ」「あれ」「どれ」といったこそあど言葉には清音を用いる(「くらい」)

例)これくらいのお弁当箱に~♪

③ 動詞や助動詞の後では、清濁どちらを用いても構わない

例1)君のためなら駆けつけるくらい/ぐらい、何でもないさ。

例2)働くくらい/ぐらいなら~

 

このような使い分けが現代でも一部で行われているかもしれません。また、書き言葉や話し言葉、地域や方言によっても使い分けが異なる場合があります。

「『くらい』か『ぐらい』か」と考えるほど、混乱することもあるかもしれません。無理に考えず、自然に出てくる表現を使うのが最適です。

 

「ころ」と「ごろ」の使い分けは必要?

「頃(ころ・ごろ)」の使い分けについても、かつては「くらい・ぐらい」と同じように区別がされていましたが、現代ではその区別はあいまいになっています。しかし、「くらい・ぐらい」よりも江戸時代の使い分けが影響を残しているかもしれません。

例1)五時頃(ごじごろ、体言+濁音)

例2)日頃(ひごろ、体言+濁音)

例3)そのころ、あのころ(こそあど+清音)

例4)花が咲く頃には(さくころには、用言+清濁両形)

例5)君が来る頃だと思っていたよ(くるころ/くるごろ)

ただし、「その頃」を「そのごろ」と読むことも一般的です。このため、決まりがない表現に関しては、使いたい方を自由に使い分けても良いでしょう。

ただ一つ注意点として、「日頃」を「ひころ」と読むのは誤りです。これ以外の場合、特に定められた読み方があるわけではないので、自然に感じる方を選んで使うのが良いでしょう。

 

まとめ

この記事では、「くらい」と「ぐらい」、「ころ」と「ごろ」の使い分けについて掘り下げてみました。歴史的な背景から現代における使用法まで、これらの言葉がどのように使われてきたのかを見てきました。

結果として、現在ではこれらの言葉の使い分けに厳密なルールはなく、文脈や個人の好みによって自由に使い分けることが一般的です。

特定のフレーズで決まった読み方が存在する場合を除いて、どちらの表現を使用しても通じるため、書き手や話し手が自然と感じる方を選んで使用するのが良いでしょう。個人的な選択としては、方言の影響を考慮しつつ、文章の流れを重視し、視覚的な印象も考慮に入れることが推奨されます。

このように、言葉の選択は単に意味だけでなく、その人の言語感覚や文脈、さらには美的感覚にも左右されるものです。日常のコミュニケーションにおいては、この柔軟性が日本語の魅力の一つと言えるでしょう。

 

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