「やさしい人」と言われると嬉しく感じるのに、「甘い」と言われると少し反省してしまうことはありませんか?
この2つは一見似ているようで、その本質には大きな違いがあります。
今回は、「やさしさ」と「甘さ」の違いを深掘りしていきます。
「やさしさ」とは何か?
● 相手を思いやる心
やさしさとは、相手の立場に立って気遣い、負担を減らしてあげる行為や姿勢を指します。
感情的ではなく、冷静な判断と誠実さからくる行動が多く、「強さ」を伴うことが特徴です。
例:
・困っている同僚に、さりげなく手助けをする
・相手の成長のために、時には厳しいことも伝える
● やさしさは「相手を育てる」ことも視野に入れる
本当のやさしさは、単に相手を甘やかすのではなく、相手が自立できるよう促すことも含まれます。
「甘さ」とは何か?
● 判断の甘さ、対応の甘さ
「甘い」という言葉には、厳しさが足りず、物事を楽観的に捉えすぎるという意味が含まれます。
他人に対してだけでなく、自分に対しても「甘い」という言い方をします。
例:
・明らかにミスをした部下を注意せず放置する
・「どうにかなるだろう」と準備を怠る
● 甘さは「責任の回避」にもつながる
本来求められる厳しさや判断力を持たずに流されてしまう場合、「甘い対応」と言われがちです。
やさしさと甘さの違いを比較すると…
観点 | やさしさ | 甘さ |
---|---|---|
動機 | 思いやり・配慮 | 面倒を避けたい・好かれたい |
行動 | 必要な助言や支援を行う | 厳しい判断を避けて放任する |
結果 | 相手の成長を促す | 相手の成長を妨げることもある |
評価 | 信頼・尊敬される | ナメられる・頼りなく見られる |
「やさしさ」と「甘さ」を見分けるヒント
-
相手のためになっているか?
→ 気遣いの結果が、相手の自立や改善に繋がっていれば「やさしさ」。 -
その場しのぎになっていないか?
→ 面倒を避けた対応や、注意すべき点を見過ごすなら「甘さ」。 -
自分にも厳しくできているか?
→ 自分にも他人にも真摯に向き合えているなら、それは「やさしさ」です。
まとめ
「やさしさ」は、相手を思いやりながらも、ときに厳しさを伴う“強さ”を含んでいます。
一方「甘さ」は、厳しさを避け、目先の関係を保つための“弱さ”として表れることが多いもの。
言葉や態度の裏にある「目的」や「影響」を見つめることで、自分の行動が「やさしさ」なのか「甘さ」なのか、判断するヒントになります。