「あなたって変わってるね」「すごく個性的だね」——このような言葉をかけられた経験はありませんか?
一見すると似た意味に思えるこの2つの言葉。しかし、受け取る側の気持ちによって、嬉しくもなれば、モヤッとすることも。
今回は「変わってる」と「個性的」の違いを、意味や使い方、込められたニュアンスの差からじっくり掘り下げていきます。
「変わってる」とは?
「変わってる」は、「普通とは違う」「常識から外れている」という意味を含む言葉です。
使われる場面によっては、少し否定的・揶揄的なニュアンスを持つこともあります。
例文:
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あの人、ちょっと変わってるよね(=風変わりで理解しにくい印象)
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好きなことに一直線で、変わってるけど面白い人だよ
ニュアンス
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マイナス:常識外れ・空気が読めないといった印象を含むことも
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プラス:独特で面白い・ユニークと感じるケースもある
「変わってる」は、無難な「普通」との違いを強調する言葉として使われがちですが、発言者のトーンや関係性によって、意味の振れ幅が大きくなる表現です。
「個性的」とは?
「個性的」は、「他とは違ってその人らしさが際立っている」「魅力がある」という意味で使われることが多い言葉です。
例文:
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彼女のファッションはすごく個性的でオシャレ
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子どもたち一人ひとりがとても個性的でいいね
ニュアンス
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プラス:その人らしさを尊重する・魅力を感じる
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まれにマイナス:遠回しに「協調性がない」と言いたい場合も
「個性的」は全体としては肯定的な意味で使われることが多く、とくに近年では“自分らしさ”や“多様性”を評価する場面でよく用いられます。
言い換えてみると?
言葉 | 意図の例 | 言い換え | ニュアンス |
---|---|---|---|
変わってる | ちょっと変な感じがする | 風変わり / 独特 | やや距離を置いた印象 |
個性的 | その人らしくて魅力的 | ユニーク / オリジナル | 尊重・好意的な評価 |
どちらも“違い”を指す。でも伝わり方が違う
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変わってるは、基準が“世間の普通”
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個性的は、基準が“その人らしさ”
つまり、「変わってる」は他人基準のズレ、「個性的」は自分基準の表現とも言えます。
この違いが、ポジティブに聞こえるか、ネガティブに感じるかを大きく左右します。
実は使い方には注意が必要
どちらの言葉も、褒め言葉のつもりでも相手に誤解を与えることがあります。たとえば:
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✅ 親しい人に笑顔で「変わってるよね」はOKでも
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❌ 初対面の人に「個性的ですね」は距離を感じさせることも
相手との関係性やトーンが重要なのです。
まとめ
「変わってる」と「個性的」は、どちらも“他とは違う”ことを指す言葉ですが、
その違いは視点と感情の込め方にあります。
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「変わってる」は、“普通”からズレている印象を与えがち
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「個性的」は、“その人らしい魅力”を肯定する言葉として使われやすい
相手を尊重したいとき、好意を伝えたいときには「個性的」という言葉が無難です。
一方で「変わってる」は親しみを込めて使うならアリ。
どちらを選ぶかは、場面と相手との関係性次第ですね。