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「行く」をどう読みますか?「ゆく」と「いく」の使い方の違い!いつどちらを使う?

言葉

皆さんは大晦日の特別番組、「ゆく年くる年」をご存知ですか?あるいは「いく年くる年」の方が馴染み深いでしょうか?

「行く」を「ゆく」と表記したり読んだりすることに迷いが生じることはよくあります。

今回は、「ゆく」と「いく」の違いと、文中での使い分け方について詳しく解説します。

 

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「ゆく」と「いく」の使い分けとその歴史的背景

「ゆく」と「いく」はどちらも「行く」「往く」「逝く」と表される同じ動詞ですが、読み方には微妙な違いがあります。

歴史を遡ると、万葉集の時代から「ゆく」と「いく」が併用されていることがわかります。また、平安時代や鎌倉時代においては、漢文の訓読みで「ゆく」が好んで用いられ、「いく」は比較的まれでした。

現代では、漢字「行く」「往く」「逝く」にふりがなを付ける場合は「いく」と記されることが一般的ですが、ひらがなで書くときや発音する際には「ゆく」とも表現されることがあります。これにより、「ゆく」はより文学的または詩的なニュアンスを帯びています。

「いく」と「ゆく」はどちらも正しい読み方であり、間違いではありませんが、用途によって使い分けられることが多いです。「いく」は口語的で日常会話に用いられ、「いくよ」「いくね」などという形で頻繁に使われます。一方、「ゆく」はより文語的で、「消えゆく」「移りゆく」のように変化や移行を感じさせる表現に使われることが多いです。

以下に、「ゆく」の具体的な例をいくつか挙げます。

【「ゆく」の使用例】

  • 消えゆく文化
  • ゆく末(行く末)
  • ゆく春
  • ゆくゆくは将来的に
  • 移りゆく季節
  • 滅びゆく遺跡
  • 暮れゆく夕暮れ
  • ゆくえ不明(行方不明)

これらの例からも見て取れるように、「ゆく」は変化や終焉、進行を象徴する言葉として使われます。どちらの表現を使うかは、その文脈や感覚に依存するため、場面に応じて選ぶのが適切です。

 

「ゆ」と「い」を使うことがある言葉「言う」は?

日本語には「言う」という動詞があり、その発音と表記には「いう」と「ゆう」のバリエーションが存在します。

「言う」の正式なふりがなは「いう」で、これが基本的な表記です。

一方で、日常会話中には発音が緩やかになり、「いう」が「ゆう」と聞こえることがあります。この発音の変化が、一部の人々が「ゆう」と誤って書く原因になっていると考えられます。

また、漢字での表記には「言う」と「云う」があります。「言う」は一般的に言葉を発する、話すという意味で使われます。対して、「云う」の漢字は、元々「伝える」という意味を持ち、特に伝聞や伝承、言い伝えなどを表す際に用いられることがありますが、現代では「言う」と同じ意味で使われることも多いです。

【使用例】

  • 彼は常に心に思ったことをはっきりと「言う」。
  • 昔の人々は大事なことを次の世代に「云う」と言いました。

このように、「言う」は日常的な表現に、「云う」はやや古風で格式のある文脈で使われることが一般的です。どちらの形も正しい使用法であり、文脈に応じて適切な表記を選ぶことが重要です。

 

「行く」と「往く」の意味の違いとその使用法

「行く」と「往く」はどちらも移動に関連する動詞ですが、それぞれの使い方には明確な違いがあります。

「行く」は一般的に移動を示す動詞で、「止まる」や「住む」といった静止の状態と対比されます。例えば、どこかへ行くこと自体に焦点が当てられます。

一方、「往く」は移動の方向性に重点を置いた表現で、特定の方向への移動を示します。「あっちへ往く」や「向こうへ往く」といった表現がこれに該当します。また、「往く」は往復する際の行きの部分を指すこともあり、帰り(来)と対になることが多いです。

さらに、古語の「往ぬ」は「行く」「去る」などの意味も持ち、歴史的な文脈や地方によっては今でも使われることがあります。例として、地方では「往ぬ」という表現が日常会話に登場することもあり、「お客さんはもう往んだ(いんだ)」と使われることがあります。

余談ですが、高校の古典では「往ぬ」の活用、「な、に、ぬ、ぬる、ぬれ、ねよ」を学びます。これは「行く」の古い形であり、「去る」「帰る」「逝去する」など複数の意味を含んでいました。

まとめると、「行く」は一般的な移動を表し、「往く」はより方向性が強調される場面や往復の文脈で使われます。これらの違いを理解することで、より正確な日本語表現が可能になります。

 

まとめ

この記事では、「ゆく」と「いく」の違いについて詳しく解説しました。

「行く」や「往く」を「いく」や「ゆく」と表記するのは正しい使い方で、どちらも日本語の豊かな表現の一部です。これらの言葉は、文脈や文語的なニュアンスによって使い分けられます。

一方で、「言う」を「ゆう」と書くのは誤りであり、正しいふりがなは「いう」です。同様に、古い表現「云う」もありますが、これは特定の文脈で用いられることが多いです。

このように、日本語には似たような言葉でも使い分けが必要な場合があります。適切な表記と発音を心掛けることで、より正確で美しい日本語を話すことができるようになります。気をつけて使い分けましょう。

 

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